通信工事や電気工事と聞くと、多くの方は現場で作業している姿をイメージするのではないでしょうか。
高所作業車に乗る。
アンテナを交換する。
光ケーブルを接続する。
電気設備を施工する。
確かにそれらも重要な仕事です。
しかし、通信インフラ工事や基地局工事の現場で長年仕事をしていると、ある考えに辿り着きます。
それは、
「現場よりも準備の方が重要」
ということです。
実際に現場で発生する問題の多くは、現場で突然発生するのではありません。
準備段階で見落としていたことが、現場で現象として表面化しているだけです。
これは安全も同じです。
品質も同じです。
工程遅延も同じです。
私たちは時々、
「現場でトラブルが発生した」
と言います。
しかし本当にそうでしょうか。
トラブルは現場で発生したのではなく、準備不足という原因が現場で現象として表れただけかもしれません。
これは私自身、数多くの現場を経験する中で強く感じるようになりました。
例えば通信インフラ工事。
現用設備を扱うことがあります。
現用とは、今まさにお客様が利用している設備です。
スマートフォンで通信している。
インターネットを利用している。
企業が業務で利用している。
そういった設備が生きた状態で存在しています。
もし準備不足のまま作業に入ればどうなるでしょうか。
通信断。
サービス停止。
大きな影響につながる可能性があります。
だからこそ事前確認が重要になります。
図面確認。
施工手順確認。
危険ポイント確認。
必要部材確認。
作業役割確認。
一つひとつを丁寧に積み上げていきます。
現場で活躍する人を見ると共通点があります。
技術力だけではありません。
段取り力が高いのです。
作業が始まる前から現場が見えている。
どこに危険があるか。
どこで作業が詰まるか。
何を先に準備するべきか。
その想像力が非常に高い。
だから結果的に現場がスムーズに進みます。
逆に経験が浅い頃は、
現場に行ってから考える。
問題が起きてから考える。
そうなりがちです。
もちろん経験不足なので仕方ありません。
しかし成長していく人は少しずつ変わっていきます。
「あれ用意しましたか?」
「この作業手順で大丈夫ですか?」
「危険ポイントはここですよね?」
そんな会話が自然と増えていきます。
専門用語を覚えるだけではありません。
現場全体を見る力が育っていくのです。
アクトでは人事考課制度を整えています。
その理由の一つがここにあります。
何を覚えればいいのか。
次に何ができるようになればいいのか。
成長の順番を明確にしています。
工具の名前が分からない。
部材の種類が覚えられない。
未経験者からすると最初は不安です。
しかし多くの社員は1か月ほどで慣れていきます。
理由は簡単です。
毎日現場で使うからです。
そして少しずつ準備を任されるようになります。
準備ができるようになると現場が見えてきます。
現場が見えてくると危険が見えてきます。
危険が見えるようになると安全意識が高まります。
結果として技術も伸びていきます。
私は現場責任者に求める能力として、必ずしも技術力だけを見ていません。
もちろん技術は必要です。
しかしもっと大切なことがあります。
人の力を借りる力です。
仲間に相談できる。
仲間を頼れる。
仲間に役割を渡せる。
そういう人は現場全体を成功に導くことができます。
逆に一人で抱え込む人は危険です。
通信工事も電気工事もチームで行う仕事です。
一人の力には限界があります。
だからこそ組織力が重要になります。
実際に強い班は、事前相談が多いです。
現場前から会話が多い。
危険ポイントを共有している。
役割分担を確認している。
だから安全で品質の高い現場になります。
私はこれからの建設業界に必要なのは、このような文化だと思っています。
昔のように気合いや根性だけで乗り切る時代ではありません。
もちろん努力は必要です。
しかし努力の方向が大切です。
事前に考える。
事前に準備する。
事前に相談する。
事前に危険を潰す。
この積み重ねが安全につながります。
品質につながります。
お客様満足につながります。
そして結果的に組織の成長につながります。
通信インフラ工事も電気工事も、完成した瞬間だけを見ると華やかに見えるかもしれません。
しかし本当の価値は、その裏側にある準備にあります。
誰にも見えないところで考え、
誰にも見えないところで相談し、
誰にも見えないところで危険を潰していく。
それがプロの仕事だと私たちは考えています。
現場で起きる良い結果は偶然ではありません。
準備という原因があるからこそ、良い結果という現象が生まれる。
これからもアクトは、その考え方を大切にしながら、安全で品質の高い通信インフラ工事・電気工事を提供していきます。