技術力が高ければ、お客様は満足するのでしょうか。アクトでは、技術だけでは本当に良いサービスは提供できないと考えています。
人づくりを経営の中心に置く理由と、品質・顧客満足・組織づくりの関係について、実際の取り組みを交えてお伝えします。
「良い工事会社とは、どんな会社ですか?」
この質問をされたら、皆さんは何と答えるでしょうか。
技術力が高い会社。
施工スピードが速い会社。
価格が安い会社。
どれも間違いではありません。
しかし、私は経営者として仕事を続ける中で、一つの考えにたどり着きました。
本当にお客様から信頼される会社とは、「人が育っている会社」ではないかということです。
もちろん、技術は必要です。
私たちは通信工事や電気工事という専門性の高い仕事をしています。
基地局工事では、一つの判断ミスが通信サービスへ大きな影響を与える可能性があります。
高所作業では、安全への意識が命を守ります。
光ケーブルの接続では、髪の毛ほど細い光ファイバーを扱う繊細な技術が求められます。
だからこそ、技術を磨くことは欠かせません。
しかし、技術だけで本当にお客様は満足するのでしょうか。
私は違うと思っています。
例えば、お客様へ説明するとき。
専門用語ばかり並べても、不安はなくなりません。
相手の立場になって分かりやすく伝える力が必要です。
現場で作業するとき。
施工だけ終われば良いわけではありません。
整理整頓された現場。
周囲への気配り。
近隣への配慮。
そうした一つひとつが、お客様の安心につながります。
そして、安全。
どれだけ施工が早くても、安全を軽視した仕事に価値はありません。
私は、良いサービスとは「技術」と「人」の掛け算だと考えています。
どちらか一方だけでは、本当の価値は生まれません。
だからアクトでは、人づくりを経営の中心に置いています。
先日、リーダー会議を行いました。
話し合ったテーマは、「どうすればもっと利益が出るか」ではありませんでした。
「どうすれば、お客様へもっと質の高いサービスを提供できるか。」
「どうすれば、安全をさらに高められるか。」
「どうすれば、社員が時間に余裕を持ち、仕事だけでなく家族との時間や自分自身の時間も大切にできるか。」
そんなことを、リーダー全員で考えました。
私は会議の中で、一つお願いをしました。
「一緒に考えてほしい。」
リーダーだから命令を受ける立場ではありません。
組織をより良くするために、一緒に考え、一緒に改善していく仲間です。
現場を一番知っているのは、現場で働くリーダーです。
だからこそ、私は「答えを与える」のではなく、「一緒に答えをつくる」ことを大切にしています。
その理由は、とてもシンプルです。
人は、自分で考えたことほど実行するからです。
実際、アクトの現場では少しずつ変化が生まれています。
頼まれていないのに翌日の資材を準備する社員。
他の班の安全が気になり、自ら確認へ行く社員。
「お客様のために、もう少し品質を上げられませんか。」
そんな発言をする社員。
私は、こうした行動を見たとき、「組織が成長している」と感じます。
技術は教えられます。
しかし、相手を思いやる気持ちや、自ら考えて行動する姿勢は、一日では身につきません。
だからACT人材開発モデルでは、技術だけではなく、人としての成長も大切にしています。
メンバーグレードでは、
「知る」
「分かる」
「行う」
「出来る」
「分かち合う」
という五段階で成長を考えています。
最後の「分かち合う」は、知識や技術を仲間へ伝えられる段階です。
私は、この段階に到達した人こそ、本当の意味で組織へ価値を生み出す人材だと思っています。
そして、リーダーになると役割は変わります。
現場の安全を守ること。
仲間が安心して働ける環境をつくること。
さらにマネージャーになると、育成責任を担い、新しいリーダーを育てることが仕事になります。
つまり、役職が上がるほど、「自分が成果を出す」から「人の成長へ貢献する」役割へ変わっていくのです。
これは、私が理想とする組織の形でもあります。
今年度からは、社外のリーダーシップ研修や管理職研修、マネジメントや心理学について学ぶ機会も増やします。
技術だけでは、お客様満足は実現できません。
人として成長するからこそ、組織は強くなります。
組織が強くなるからこそ、お客様へ届けられる価値も大きくなります。
私は、建設業をもっと魅力ある仕事にしたいと思っています。
未経験でも挑戦できる。
女性も安心して活躍できる。
異業種からでも成長できる。
そんな環境が当たり前になれば、建設業の未来はもっと明るくなると信じています。
私たちが目指しているのは、「工事をする会社」ではありません。
人が成長し、その成長がお客様への価値となり、社会への貢献につながる会社です。
利益は、その価値の結果としてついてくるものだと考えています。
だから今日も、私たちは人づくりに本気で向き合います。
人が育てば、組織は変わる。
組織が変われば、お客様へ届けられる価値が変わる。
その価値が、建設業の未来を変えていく。
私たちアクトは、人づくりを通じて社会へ価値を届け続けます。