仕事で成長する人にはどのような共通点があるのでしょうか。知識や経験だけでなく、失敗や課題への向き合い方によって成長速度は変わると考えています。
今回は、電気工事・通信工事の現場で人材育成を続けてきたアクトが大切にする「自責・原因分析・ネクストアクション・実行」という成長の考え方をお伝えします。
代表の佐々木です。
これまで多くの社員と関わり、人の成長を見てきました。
その中で、
「この人はこれから伸びるだろうな。」
と感じる人には、共通するものがあります。
資格をたくさん持っていることでもありません。
最初から仕事ができることでもありません。
口がうまいことでもありません。
私が最も重要だと考えているのは、
何かが起きたときに、他責で終わらないことです。
そして、ここにはもう一つ重要なことがあります。
自責で考えるだけでも足りません。
原因を冷静に分析する。
次に自分ができることを考える。
実行できる具体的な行動を決める。
そして、本当に行動する。
私は、
自責 → 原因分析 → ネクストアクション → 実行
まで進められる人は成長すると考えています。
「自責」とは、何でも自分が悪いと思うことではない
最初に、私の考える「自責」についてお伝えしておきたいと思います。
何か問題が起きたとき、
「全部自分が悪かった。」
と考えることが自責ではありません。
例えば現場で予定どおり仕事が進まなかったとします。
材料の納品が遅れたのかもしれません。
他業者との工程が重なったのかもしれません。
事前に聞いていた情報と現場の状況が違ったのかもしれません。
自分ではコントロールできない原因も当然あります。
それを無視して、
「全部自分の責任です。」
と言う必要はありません。
大切なのは、事実を冷静に見ることです。
何が起きたのか。
なぜ起きたのか。
どこに原因があったのか。
そのうえで、
「その中で、自分には何ができただろう?」
と考える。
私はこれが重要だと思っています。
他責で終わると、成長する機会を失ってしまう
例えば、失敗した理由を、
「あの人が教えてくれなかったから。」
だけで終わらせたとします。
本当に説明不足だった可能性もあります。
では、そこで終わるのか。
それとも、
「次から分からないところを事前に確認しよう。」
と考えるのか。
この違いは非常に大きいと思います。
環境を変えることができなくても、自分の行動なら変えられる場合があります。
他人を変えることができなくても、自分から確認することはできます。
だから私は、問題が起きたときに、
「自分が次にできることは何か?」
を考えられる人は強いと思っています。
自分が変えられる領域を見つけられるからです。
「原因分析」で止まっても会社は変わらない
仕事では原因分析が重要です。
安全上の問題。
施工ミス。
段取り不足。
コミュニケーション不足。
何かが起きたら、原因を確認する必要があります。
しかし、私は原因を見つけただけで改善したとは考えません。
例えば、
「確認不足が原因でした。」
これだけでは、次も同じことが起こる可能性があります。
では、どうするのか。
チェックするタイミングを変える。
確認項目を追加する。
二人で確認する。
施工前に図面と現場を照合する。
具体的な行動まで決める。
ここまで進んで、ようやく改善が始まります。
だから私は、社員と話すときにも、
「では、次はどうする?」
というところを大切にしています。
大きな目標より「実行できる一歩」を決める
ここは、人材育成で特に力を入れている部分です。
例えば、
「もっと報連相を頑張ります。」
と言ったとします。
私は、それだけでは具体的な行動になっていないと思います。
何をもって「頑張った」と判断するのでしょうか。
それより、
「現場で問題が起きたら、自分だけで抱えず10分以内にリーダーへ報告する。」
「相談するときは、自分の考えを一つ用意してから相談する。」
このようにした方が、実際に行動できます。
大きな目標を掲げることを否定しているわけではありません。
しかし、人を成長させるのは、目標そのものではなく、
今日の行動です。
だから、
「今の自分でも実行できそうなことは何か。」
まで具体化する。
小さくてもいい。
一つ決める。
そして実行する。
その積み重ねを私は大切にしています。
「やります」という言葉だけでは評価しない
私は社員を評価するとき、言葉だけでは判断しません。
「頑張ります。」
「改善します。」
「絶対に達成します。」
「次からやります。」
前向きな言葉を口にすること自体は悪いことではありません。
しかし、私はその後を見ます。
実際に何をしたのか。
行動は変わったのか。
結果として何が変化したのか。
少し厳しい表現ですが、
行動が伴わない言葉は、まだただの音です。
「やります」と10回言うことより、一度実行する。
私は後者を評価します。
なぜなら、価値を生むのは行動だからです。
優秀な人とは「失敗しない人」ではない
私は、失敗しない人だけを評価したいとは思っていません。
新しいことへ挑戦すれば、うまくいかないこともあります。
経験が少なければ、判断を間違えることもあります。
重要なのは、その後です。
失敗する。
原因を確認する。
自分にできることを考える。
次の行動を決める。
実行する。
結果を確認する。
また改善する。
このサイクルを回せる人は、一年前と一年後では大きく変わります。
だから私が見たいのは、
「失敗したかどうか」より「失敗した後に何をしたか」。
です。
相談できることも立派な能力
自責や主体性という言葉を使うと、
「何でも自分で解決しなければならない。」
と思われるかもしれません。
それは違います。
分からないことを相談する。
危険を感じたら作業を止める。
自分では判断できないことをリーダーへ報告する。
これらも重要な行動です。
特に電気工事や通信工事では、安全や品質に関係する判断があります。
分からないまま進めることが主体性ではありません。
最初は、
「どうしたらいいですか?」
でも構いません。
経験を積んだら、
「こういうことが起きています。」
「原因はこうだと思います。」
「私はこの方法が良いと思います。」
と、自分の考えを持って相談する。
私は、この相談の質の変化にも人の成長が表れると思っています。
最終的には「判断できる人」になってほしい
私がリーダーや将来の管理職に期待しているのは、何でも私へ確認することではありません。
最終的には、
判断を任せたい。
と思っています。
ただし、好きなように判断するという意味ではありません。
会社として大切にしている判断基準を共有することが先です。
安全なのか。
品質は守られているのか。
お客様にとって価値があるのか。
仲間にとってどうなのか。
そして、
関わるすべての人に対して、長期的に正しい判断なのか。
この基準を共有する。
そのうえで、自分で考えて判断できる人を増やしたい。
そうなれば、組織は大きく変わります。
成長の先には「人を育てる」がある
私は、人の成長の最終地点を「自分が仕事をできるようになること」だとは考えていません。
自分ができる。
自分で判断できる。
チームを動かせる。
そして、その先に、
人を育てられる。
があります。
以前、あるリーダーが部下へ、
「何かあったら全部自分が責任を取るから相談してほしい。」
と話していることがありました。
私は、その姿勢を非常に嬉しく感じました。
責任を引き受ける。
相談できる環境をつくる。
部下が挑戦できるようにする。
私は、こういう人が真のリーダーへ成長していくのだと思っています。
仕事で成長すると、人生で使える力も増えていく
私たちが人材育成に力を入れるのは、会社の利益だけのためではありません。
仕事を通じて身につく、
自分で考える力。
問題を分析する力。
人と協力する力。
責任を持つ力。
決断する力。
実行する力。
人を育てる力。
これらは、会社の中だけで使う能力ではないと思っています。
人生そのものにも関わる力です。
だから社員には、仕事だけが充実してほしいとは思っていません。
仕事でも成長する。
プライベートも充実する。
価値観も成長する。
そして、将来は周囲の人を幸せにできる人になってほしい。
それが私の願いです。
成長する組織とは「動く組織」
研修を受ける。
本を読む。
良い話を聞く。
それだけでは、組織は変わりません。
一人ひとりが考え、
「自分はこれをやる。」
と決め、
本当に実行する。
その人が増えることで、組織が動き始めます。
だから私は、ただ働きやすいだけの会社ではなく、
人が成長し、その成長によって組織そのものが動く会社
をつくりたいと思っています。
今日から一つだけ実行してみる
もし今、
仕事でうまくいっていないこと。
人間関係で悩んでいること。
達成できていない目標。
改善したいこと。
何か一つあるのであれば、
「誰が悪いのか。」
だけを考えるのではなく、一度こう問いかけてみてください。
「この状況で、自分にできることは何だろう?」
そして、答えを考えるだけで終わらせない。
今日、実行できることを一つ決める。
小さくて構いません。
一つ実行する。
私は、その積み重ねが人を変えると思っています。
人が変われば、組織が変わる。
組織が変われば、お客様へ届けられる価値が変わる。
そして、価値を届けられる組織が増えれば、社会も少しずつ良くなっていく。
私たちは電気工事・通信工事を通じて、日本の通信、電気、インフラを支える仕事をしています。
だからこそ、まず人を育てる。
自ら考え、判断し、実行し、そして次の人を育てられる人材を増やす。
個人のため。
組織のため。
そして社会のため。
私たちアクトは、人づくりを通じて、より大きな価値を社会へ届けられる組織を目指していきます。