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日別アーカイブ: 2026年8月11日

「どうすればいいですか?」の次へ。アクトが“相談の質 ”を人材成長の指標にする理由

若手社員や現場リーダーを育成するうえで、「相談できること」の次に何が必要なのでしょうか。アクトでは、相談の内容や判断の質も人材成長の重要なポイントだと考えています。
今回は、指示待ちではなく、自ら考え、提案し、実行できる人材を育てるために大切にしている考え方をお伝えします。

代表の佐々木です。

仕事をしていれば、分からないことは必ず出てきます。

特に私たちが携わる電気工事や通信工事の現場では、毎回すべてが同じ条件とは限りません。

だから私は、

「分からなければ相談する。」

これは非常に大切な能力だと思っています。

分からないまま進める。

自分だけで抱え込む。

確認せずに勝手な判断をする。

特に安全や品質に関係する場面では、こうした行動が大きな問題につながる可能性があります。

新人のうちは、

「これ、どうすればいいですか?」

と聞ければ、それだけでも一歩前進です。

しかし、経験を重ねてもずっと同じ相談の仕方で良いとは考えていません。

私が今、社員の成長において期待していることの一つが、

「相談の質を上げること」

です。

「どうすればいいですか?」から一歩先へ

例えば、現場で何か想定外の事象が発生したとします。

最初の段階では、

「こういうことが起きています。どうすればいいでしょうか?」

でも構いません。

しかし、経験を積んだ社員には、もう一歩考えてほしい。

「こういう事象が発生しました。」

「原因としては、これが考えられます。」

「対応方法としてAとBが考えられます。」

「私は安全と品質を考えると、Aで対応するのが良いと思います。」

ここまで整理して相談できるようになれば、相談の質は大きく変わります。

単なる質問ではありません。

自分の考えを持った提案になります。

私は、こうした変化に人の成長が表れると思っています。

相談しない人が優秀なのではない

ここは誤解してほしくありません。

「自分で判断できる人を育てたい」というのは、

何でも一人で判断してほしい

という意味ではありません。

むしろ逆です。

危険工程。

品質に大きく影響する判断。

お客様への影響が考えられる事象。

自分では判断できないこと。

こうした場面では、必ず相談する必要があります。

大切なのは、

相談するか、相談しないかではなく、どこまで自分で考えてから相談できるか。

だと考えています。

分からないことを相談できる。

次に、自分なりの考えを持って相談できる。

さらに成長すれば、会社の判断基準を理解して、自分で適切な判断ができる。

私は、このように段階的に成長していってほしいと思っています。

最終的には「判断」を任せたい

私がリーダー育成で目指しているところは明確です。

判断基準を私と揃えたうえで、判断そのものを任せられる人を増やすこと。

会社が大きくなっても、

「全部社長に聞かないと決められません。」

という状態では、組織は強くなりません。

しかし、単純に

「自分で考えて。」

と丸投げすることも違います。

重要なのは、その前に判断基準を共有することです。

アクトとして何を大切にしているのか。

安全についてどう考えるのか。

品質とは何なのか。

お客様に対してどうあるべきなのか。

仲間に対してどうあるべきなのか。

そこを共有したうえで、少しずつ判断を任せていく。

私はこれが、人を育てるということの一つだと考えています。

アクトの判断基準は「価値」

では、私たちは何を基準に判断するのか。

根本にあるのは、

「価値を届けられているか」

です。

私たちが考える品質も、単純に施工基準を満たすことだけではありません。

お客様に喜んでもらえる現象をつくること。

そして、期待を超えること。

これが私の考える品質です。

例えば二つの施工方法があったとします。

どちらも技術的には問題がない。

その場合、

どちらがお客様にとって良いのか。

どちらが安全なのか。

どちらが将来的な維持管理まで考えて適切なのか。

関係する人たちにとって、長期的にどちらが正しいのか。

こうしたことまで考えて判断してほしいと思っています。

目先の「楽だから」。

目先の「早いから」。

それだけで決めるのではありません。

関わるすべての人に対して、長期的に正しいか。

これは、私自身が経営判断でも大切にしている基準です。

「自責」も、反省するためだけのものではない

私が成長すると思う人には、共通する特徴があります。

他責思考ではないことです。

何か問題が起きたときに、

「あの人が悪かった。」

「環境が悪かった。」

「自分は言われたとおりやった。」

だけで終わらない。

もちろん、本当に自分以外に原因があることもあります。

それを無理やり自分の責任にするという意味ではありません。

大切なのは、事実を冷静に分析したうえで、

「では、自分には何ができるだろう?」

と考えられることです。

私は、

自責 → 原因分析 → ネクストアクション → 実行

まで進められる人は成長すると考えています。

反省して終わりではありません。

原因を知って終わりでもありません。

次に実行できることを決める。

そして、本当にやる。

ここまでが大切です。

「やります」は、まだ成果ではない

私は、人を言葉だけでは評価しません。

「頑張ります。」

「次から改善します。」

「絶対に達成します。」

意欲を示すことは大切です。

しかし、それだけで評価することはありません。

少し厳しい言い方になりますが、

行動を伴わない言葉は、まだただの音です。

その後に何をしたのか。

そこを見ます。

確認表を作った。

準備方法を変えた。

後輩への声掛けを始めた。

事前に現場情報を調べるようになった。

お客様へ自分から提案した。

具体的な行動へ変わったとき、初めて仕事に変化が起こります。

だから、社員と話をするときも、

「では、次はどうする?」

というところまで落とし込むことを大切にしています。

しかも、大きすぎる目標ではなく、

実際に実行できそうな行動を決める。

ここには特に力を入れています。

リーダーになるほど「自分ができる」だけでは足りない

メンバーとして成長している間は、自分自身の技術を高めることが重要です。

しかし、リーダーになると役割が変わります。

アクトにおけるリーダーは作業責任者であり、現場の安全を守ることが大きな責任です。

自分だけ安全に作業できれば良いわけではありません。

仲間を見る。

現場全体を見る。

危険を予測する。

必要なら作業を止める。

そして、チームの力を使って安全に現場を完工させる。

最近、社内で非常に嬉しい出来事がありました。

あるリーダーが部下に、

「何かあったら全部自分が責任を取るので、相談してほしい。」

と伝えていました。

私は、こういう姿勢を持つ人が本当のリーダーに近づいていくのだと思っています。

責任者だから偉いのではありません。

責任を引き受けるから、責任者なのです。

その安心感があるから、若手も相談できます。

相談できるから、小さな異変を早く共有できます。

それが安全や品質を守ることにつながります。

「何か自分にできることはありませんか?」

もう一つ、最近嬉しく感じる社員の行動があります。

自分の仕事が終わったとき、

「他に何か自分にできることはありませんか?」

と自ら聞ける社員がいることです。

私は、こうした行動を高く評価します。

誰かに指示されるまで待つのではありません。

周囲を見て、

「自分にできることはないか。」

と考えている。

これは小さな一言に見えるかもしれません。

しかし、組織にとっては大きな価値があります。

こういう人が一人増えるだけでも、チームの動きは変わります。

そして、その姿を見た周囲にも良い影響が広がっていきます。

目指すのは「社長がいなくても正しい判断ができる組織」

私は、社員を自分の指示どおりに動かしたいわけではありません。

むしろ、最終的には私がいなくても判断できる組織をつくりたいと思っています。

ただし、好き勝手に判断するという意味ではありません。

判断の根底には、共通した価値観があります。

安全を守る。

品質を高める。

お客様の期待を超える。

仲間を大切にする。

そして、関わるすべての人に対して長期的に正しいことを選択する。

この判断基準が組織全体へ浸透すれば、

「社長だったらどう判断するだろう。」

と毎回確認する必要はなくなります。

自分自身で考え、提案し、判断し、実行できる。

私は、そんな人材を増やしたいと思っています。

今日からできる「相談の質」の高め方

もし仕事で上司へ相談することがあれば、次の四つを一度整理してみてください。

「何が起きているのか。」

「原因として何が考えられるのか。」

「どんな選択肢があるのか。」

そして、

「自分はどうするのが良いと思うのか。」

最初から完璧な答えを出す必要はありません。

間違っていても構いません。

大切なのは、自分で考えてから相談することです。

それを繰り返すことで、少しずつ判断する力が育っていきます。

人が育つとは、任せられることが増えること

私は、人材育成の成果は研修回数では測れないと思っています。

資格の数だけでもありません。

「この人なら任せられる。」

そう思える領域が増えていくこと。

それが、一つの成長だと思います。

相談できる。

考えて相談できる。

提案できる。

実行できる。

そして、最終的には自ら判断できる。

さらにその先には、自分が身につけた判断力を次の世代へ分かち合い、人を育てられるリーダーになってほしい。

私たちが目指しているのは、そこです。

人を育てることは、単に技術者を増やすことではありません。

自ら考え、責任を持ち、価値ある判断を実行できる人を増やすこと。

そういう人が増えれば、現場は変わります。

現場が変われば、お客様へ届けられる価値が変わります。

そして、それが組織の成長につながります。

人づくりは、組織づくり。

私たちアクトは、言葉だけではなく実行を積み重ねながら、関わるすべての人へ長期的に正しい価値を届けられる組織を目指していきます。