建設業は離職率が高いと言われています。しかし、本当に原因は仕事のきつさだけなのでしょうか。アクトでは組織づくりや教育を見直すことで、働きやすい環境づくりに取り組んできました。実際の経験をもとに、離職を防ぐための考え方をご紹介します。
「建設業は人が辞めやすい。」
そんなイメージを持つ方は少なくありません。
確かに、建設業界では人材不足や高齢化が大きな課題となっており、多くの企業が採用や定着に悩んでいます。
では、人が辞める理由は本当に「仕事がきついから」だけなのでしょうか。
私は、そう単純ではないと考えています。
もちろん、夏の暑さや冬の寒さ、高所作業や重量物の運搬など、建設業には体力を必要とする仕事があります。
しかし、それ以上に離職へ影響するのは「働く環境」ではないでしょうか。
私はこれまで多くの社員と関わり、面談を重ねてきました。
その中で感じたのは、「仕事そのもの」が嫌になったという声よりも、「働き方」や「人間関係」、「成長への不安」が理由になっているケースが多いということです。
そこで私たちは、「人を辞めさせない仕組み」ではなく、「安心して成長できる環境」をつくることを考えました。
その中で、特に大切にしていることが五つあります。
一つ目は、「成長の道筋を見える化すること」です。
未経験で入社した社員にとって、一番不安なのは「何を覚えれば一人前になれるのか分からない」ことです。
そのためアクトでは、ACT人材開発モデルを導入し、「知る」「分かる」「行う」「出来る」「分かち合う」という五段階で成長を整理しています。
さらに技術チェックリストを整備し、今の自分の位置と次の目標が分かるようにしています。
二つ目は、「評価基準を明確にすること」です。
頑張っているのに評価されない。
何をすれば昇格できるのか分からない。
こうした状態では、仕事への意欲は続きません。
私たちは半期ごとの評価で、一人ひとりの成長や行動を確認し、昇格や昇給につなげています。
評価は人を比べるためではなく、成長を確認するためのものだと考えています。
三つ目は、「リーダーが育成へ関わること」です。
現場の責任者は、工事を進めるだけが役割ではありません。
後輩が安心して質問できる雰囲気をつくること。
困っている社員へ声を掛けること。
小さな変化に気づくこと。
こうした積み重ねが、働きやすさにつながります。
四つ目は、「時間に余裕をつくること」です。
私たちは先日、リーダー会議で「どうすれば現場をもっと効率よく進められるか」を話し合いました。
目的は、ただ早く帰ることではありません。
余裕が生まれれば、安全確認を丁寧に行えます。
後輩へ教える時間も確保できます。
焦らずに仕事ができることで、品質も高まります。
時間の余裕は、心の余裕にもつながります。
五つ目は、「人として成長できる環境をつくること」です。
建設業は技術職ですが、技術だけでは良い仕事はできません。
お客様への説明力。
仲間との連携。
思いやり。
責任感。
こうした力も同じように大切です。
そのため今年度からは、社外研修も活用し、リーダーシップやマネジメントについて学ぶ機会を増やしています。
私たちは、「辞めない会社」を目指しているわけではありません。
人にはそれぞれ人生があります。
新しい夢へ挑戦する人もいます。
家庭の事情で環境が変わる人もいます。
だから、離職をゼロにすることが目的ではありません。
私たちが目指しているのは、「ここで働けて良かった」と思ってもらえる会社です。
その結果として、長く働きたいと思う人が増える。
私は、その順番が大切だと思っています。
建設業は、社会インフラを支える重要な仕事です。
だからこそ、その仕事を担う人が安心して働き、成長できる環境が必要です。
働く人が笑顔でなければ、お客様へ最高のサービスは届けられません。
人が成長すると、現場の雰囲気が変わります。
現場の雰囲気が変わると、品質が変わります。
品質が変わると、お客様からの信頼が積み重なります。
その信頼が、会社の未来を支えてくれます。
私は、建設業の未来は「人づくり」で変えられると信じています。
だからこれからも、一人ひとりが安心して挑戦し、成長できる環境づくりに本気で取り組み続けます。
人が育てば、組織は変わる。
組織が変われば、お客様へ届けられる価値が変わる。
その価値が、建設業の未来を変えていく。
私たちアクトは、人づくりを通じて社会へ価値を届け続けます。