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日別アーカイブ: 2026年9月13日

なぜ現場写真の提出業務をメンバーに任せるのか?アクト が「仕事の全体像」を経験させる理由

今回は、株式会社アクトがこれまでリーダークラスを中心に行っていた施工写真の整理・提出業務を、経験を積み始めたメンバークラスにも任せ始めた理由をお伝えします。

仕事の前後まで知ることが、現場力・品質・主体性を高める人材育成につながると考えています。

代表の佐々木です。

人を育てるとき、

「何を教えるか」

はもちろん重要です。

しかし最近、私はそれと同じくらい、

「何を経験させるか」

が大切だと感じています。

研修を受ける。

資格を取る。

先輩から仕事を教わる。

もちろん、すべて必要です。

ただ、それだけではなかなか身につかないものがあります。

それが、

「自分たちの仕事が、最終的に何につながっているのか」

という感覚です。

そこでアクトでは最近、これまで基本的にリーダークラスが行っていた施工写真の整理・提出業務の一部を、仕事に少しずつ慣れてきたメンバークラスにも経験してもらうことにしました。

今回は、この取り組みについて書いてみたいと思います。

施工写真は「撮ればいい」ものではない

電気工事や電気通信工事では、施工写真を撮影する機会が多くあります。

現場で働き始めたばかりの頃は、

「この場所を撮って」

「この工程が終わったら写真を残して」

と指示され、それに従って撮影するところから始まります。

当然、最初はそれでいいと思っています。

分からない人に、いきなりすべてを考えて行動してもらうことはできません。

まずは知る。

そして、やってみる。

少しずつ仕事を覚える。

しかし、ある程度経験を積んだ後も、

「言われたから撮る」

だけでは、次の成長にはつながりにくい。

なぜ、この写真が必要なのか。

この写真は誰が見るのか。

何を確認するための写真なのか。

どの程度のクオリティーが必要なのか。

何が写っていなければ成果物として成立しないのか。

現場で撮影した写真が、その後どう整理され、どう提出され、どのような成果物になるのか。

ここまで理解すると、同じ「写真を撮る」という仕事でも意味が変わってきます。

成果物を知ると、現場での見え方が変わる

今回、メンバークラスに写真提出業務を任せることにした一番の理由は、

成果物のリアルに触れてほしい

と思ったからです。

例えば、自分で提出資料をつくっていると、

「あれ、この写真では確認したい部分が見えないな」

「もう少し引いた写真も必要だったな」

「同じような写真ばかりで、必要な写真がない」

「撮影する位置を統一した方が分かりやすかったな」

といったことに気づきます。

これは、現場で「この写真を撮ってください」と言われているだけでは、なかなか実感できません。

ところが、自分が成果物をつくる側になると、

現場での一つの行動と、最終的な成果物がつながります。

すると次の現場では、

「後でこの写真が必要になるな」

「この角度だけでは足りないな」

「この状態も残しておこう」

と、自分で考え始める。

私は、こうした変化を成長だと考えています。

仕事の「点」を「線」にしていく

新人のうちは、一つひとつの仕事が「点」になりがちです。

写真を撮る。

工具を準備する。

材料を確認する。

施工する。

片付ける。

報告する。

最初は、それぞれを覚えるだけでも大変です。

でも、経験を重ねていくと、

点と点をつなげていかなければなりません。

なぜ準備が重要なのか。

準備不足が現場にどう影響するのか。

なぜこの施工方法なのか。

なぜ写真が必要なのか。

なぜ報告しなければならないのか。

なぜこの品質が求められるのか。

一つひとつがつながってくると、仕事の全体像が見えてきます。

私は、メンバーからリーダーへ成長していく過程では、この「全体を見る力」が非常に重要だと思っています。

任せる前に、基準をつくる

ただし、

「成長してほしいから、とりあえずやってみて」

では、私は少し違うと思っています。

任せるのであれば、会社側にも責任があります。

何をすればいいのか。

どこまでやれば完成なのか。

どの品質が求められるのか。

それをできるだけ分かる状態にする必要があります。

そのため今回、アクトでは施工写真の格納・提出についてマニュアルを作成しました。

そして、メンバーへ仕事を任せる前に、まずリーダークラスへ今回の取り組みを共有しました。

そのうえで、実際にメンバー2名へ業務を指示しています。

私が大切にしたい流れは、

教える

基準を見える化する

実際にやってもらう

成果物を確認する

フィードバックする

また実行する

という流れです。

任せることと、丸投げすることは違います。

「基準がない」は、教わる側の問題ではない

アクトでは最近、業務の基準化・標準化にも力を入れています。

私自身、日々の業務を見ながら、

「ここは人によって判断が違うな」

「ここは基準が曖昧だな」

「新人には分かりにくいな」

と思ったところがあれば、できるだけそのままにしないようにしています。

必要であればマニュアルをつくります。

OK例、NG例を示した方が分かりやすければ、それも入れる。

そして、

「アクトでは、この基準でやっていこう」

と共有する。

なぜなら、会社の基準が曖昧なのに、

「ちゃんとやって」

と言っても、人によって「ちゃんと」の意味が違うからです。

ベテランにとっての当たり前は、新人にとっての当たり前ではありません。

リーダーが頭の中で分かっていることも、メンバーには見えていません。

だからこそ、

個人の経験や感覚だけに依存しているものを、組織の共通基準へ変えていく。

これも会社づくりの一つだと思っています。

マニュアルは人を縛るためのものではない

「マニュアル化」という言葉には、少し堅い印象があるかもしれません。

何でもルールにする。

書いてあることしかやらない。

そんな組織を私は目指しているわけではありません。

むしろ逆です。

基本的な基準が明確になっているからこそ、その先を自分で考えられると思っています。

何が正解か分からない状態で、

「自分で考えて」

と言われても難しい。

まず基準を知る。

なぜその基準なのかを理解する。

実際に行う。

一人でできるようになる。

そして、その先で改善や提案ができるようになる。

これはアクトが人材育成で大切にしている、

「知る→分かる→行う→出来る→分かち合う」

という成長の考え方にもつながっています。

安全教育でも「なぜ」を大切にする

この考え方は写真業務だけではありません。

例えば、新しく入社した未経験者への安全教育でも同じです。

「このルールを守ってください」

だけではなく、

なぜこのルールがあるのか。

なぜこの方法で作業するのか。

守らなかったら何が起こるのか。

誰を守るためのルールなのか。

そこまで理解してもらうことを大切にしています。

私は、

情報とは最大の武器

だと思っています。

正しい安全知識がなければ、自分自身を守ることができません。

そして、自分を守るための正しい知識を持っていなければ、仲間を守ることも難しい。

だから、ただ覚えるだけではなく、

意味まで理解する。

これが重要だと思っています。

資格も「取って終わり」ではない

最近は、社員が取得している資格や教育についても、会社として整理を進めています。

どの段階で何を学ぶのか。

何が必須なのか。

何を取得すると、次の仕事を任せられるのか。

こうした成長の道筋も少しずつ見えるようにしています。

資格を取ること自体がゴールではありません。

資格取得によって正しい知識を得る。

現場で使う。

できる仕事が増える。

責任を持てる範囲が広がる。

さらに後輩へ教えられるようになる。

そこまでつながって初めて、その人の価値が高まっていくのだと思います。

「できるようになってから任せる」では遅いこともある

育成を考えていると、

「まだ早いんじゃないか」

と思うことがあります。

当然、安全や資格に関係する仕事で、できない人に無理をさせることはありません。

しかし、何でも、

「完全にできるようになってから任せよう」

としてしまうと、成長する機会そのものがなくなります。

経験しなければ分からないことがあるからです。

今回の写真提出業務もそうです。

リーダーがやった方が早い。

慣れている人がやった方が正確。

短期的に見れば、その通りかもしれません。

でも、それをずっと続けていたら、次にできる人が育ちません。

だから、

少し背伸びすればできる仕事を、適切なタイミングで任せる。

そして、必要な基準とサポートを会社側が用意する。

これが大切だと思っています。

失敗させないことより、失敗から学べる仕組みをつくる

もちろん、新しい仕事を任せれば、最初から完璧にはできません。

私は、それでいいと思っています。

重要なのは、

「なんでできないんだ」

で終わらせないことです。

何が分からなかったのか。

基準が曖昧ではなかったか。

説明が不足していなかったか。

本人はどこで判断を間違えたのか。

次は何を変えればできるのか。

そこまで一緒に考える。

そして、

次に実行できることを決める。

私は人の成長を見るとき、ここを大切にしています。

「次から気をつけます」

だけでは、具体的な行動は変わらないかもしれません。

では、次回は何をするのか。

確認表を見る。

提出前にセルフチェックする。

撮影時点で必要写真を確認する。

分からなければこのタイミングで相談する。

実行できるところまで具体化する。

そして実際にやってみる。

人は、その繰り返しで成長していくと思っています。

リーダーの仕事を減らすことだけが目的ではない

今回の取り組みを続ければ、結果としてリーダーの業務負担が減る可能性もあります。

それ自体は良いことです。

しかし、それを第一の目的にはしていません。

目的は、

メンバーが仕事の全体像を理解し、次のレベルへ成長すること。

そしてもう一つあります。

メンバーが今までリーダーしかやっていなかった仕事をできるようになれば、リーダーはさらに次の仕事へ進めます。

メンバーが成長する。

リーダーが次へ進む。

リーダーが成長すれば、マネージャーもさらに上の役割へ集中できる。

こうして組織全体が少しずつ成長していく。

私は、これが理想だと思っています。

仕事を抱える人が評価される組織にはしたくない

仕事ができる人ほど、

「自分でやった方が早い」

となりがちです。

私自身も経営をしていて、その感覚はよく分かります。

でも、組織として考えれば、それだけではいけません。

一人の優秀な人しかできない仕事が増えれば、その人がいなければ止まる組織になります。

一方で、

自分ができるようになる。

基準をつくる。

人へ教える。

任せる。

その人もできるようになる。

さらに次の人へ伝える。

ここまでできれば、個人の能力が組織の力になります。

だからアクトの人材育成では、最終的に、

「分かち合う」

ところまで進んでほしいと思っています。

成長とは、任せられることが増えること

私は、社員の成長を資格の数だけでは見ていません。

昨日より技術が上がった。

自分で判断できるようになった。

後輩へ説明できるようになった。

必要な報告ができるようになった。

問題が起きたときに、原因と解決策まで考えられるようになった。

そして、

会社やお客様から任せてもらえることが増えた。

これも大きな成長だと思います。

任せられる仕事が増えるということは、それだけその人が提供できる価値が増えたということです。

100%を理解して、初めて20%を考えられる

アクトの経営理念は、

「120%の喜びを提供する」

です。

私は、お客様が求めていることにきちんと応えることを、まず100%だと考えています。

安全に施工する。

品質を守る。

期日を守る。

必要な成果物を提出する。

約束を守る。

これはプロとして当然の部分です。

そして、その100%を理解したうえで、

「さらに何ができるだろう」

と考える。

こちらから提案する。

先回りする。

相手の不安や不足に気づく。

より良い方法を考える。

その部分が、アクトとして提供したいプラス20%です。

だからこそ、若いメンバーにも「自分の作業」だけではなく、仕事の全体を少しずつ見てほしいと思っています。

全体を知らなければ、相手が何を求めているかも分かりません。

相手が求めている100%が分からなければ、その先の20%を考えることもできません。

人が育つ会社にしたい

会社が成長するために、人を育てる。

もちろん、それもあります。

でも、それだけではありません。

私は、社員自身にも仕事を通して成長してほしいと思っています。

できることが増える。

知識が増える。

資格を取る。

人から頼られる。

後輩を育てる。

お客様に喜んでもらう。

そして、

「自分の力が誰かの役に立った」

と感じる。

自分自身の価値を磨き、その価値で人に貢献できる。

仕事を通じて、そんな自己実現ができたら素晴らしいと思います。

だから私は、社員がチャレンジできる環境をつくることも、会社の役割だと思っています。

日本のインフラを支えられる人を育てる

アクトは、電気工事・電気通信工事を行う会社です。

私たちが携わっている通信や電気は、社会になくてはならないインフラです。

だから私は、

単に工事ができる人を増やしたいわけではありません。

安全を理解している。

品質を考えられる。

相手の立場を考えられる。

自分で判断できる。

約束を守れる。

問題があれば改善できる。

そして、次の人を育てられる。

そんな人材を増やしていきたい。

一人の成長は小さな変化かもしれません。

でも、その一人が次の人を育てるようになれば、組織は変わります。

組織が変われば、お客様へ提供できる価値が変わります。

そして、価値ある人と組織が増えれば、日本の通信・電気・インフラを支える力も強くなる。

私はそう考えています。

今回始めた写真提出業務へのチャレンジも、その中の本当に小さな一歩です。

でも、人の成長とは、こういう小さな一歩の積み重ねではないでしょうか。

教えるだけではなく、経験させる。
任せるだけではなく、基準を示す。
失敗を責めるだけではなく、次の行動を考える。
できるようになったら、さらに次を任せる。

そんな環境をつくりながら、一人ひとりが自分の価値を高められる会社にしていきたいと思っています。

人が育てば、組織は変わる。
組織が変われば、お客様へ届けられる価値が変わる。
その価値が、建設業の未来を変えていく。

私たちアクトは、人づくりを通じて社会へ価値を届け続けます。