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月別アーカイブ: 2026年9月

属人化をなくすだけでは会社は強くならない。電気工事会 社アクトが「標準化」と「人材育成」を同時に進める理由

今回は、電気工事・電気通信工事会社のアクトが進めている、属人化を防ぐための基準化・標準化と、マニュアルや参考資料を活用した人材育成についてお伝えします。
仕組みをつくるだけで終わらせず、リーダーからメンバーへ伝え、実行し、改善するところまでを大切にする理由をご紹介します。

代表の佐々木です。
最近、アクトでは会社のさまざまな業務について、基準化・標準化を進めています。
マニュアルを整備する。
写真や図を使った参考資料をつくる。
業務の担当者を明確にする。
これまで一部の人に集中していた仕事を、別の社員にも任せられるようにする。
判断に迷いやすいことについて、会社としての基準を明確にする。
こうした取り組みを少しずつ増やしています。
その大きな目的の一つが、「属人化」を減らすことです。
しかし、私たちが仕組み化を進めている目的は、それだけではありません。
もう一つ、とても大切にしていることがあります。
それが「社員の成長」です。
私は最近、
「属人化を解消すること」と「人を育てること」は、別々の取り組みではない
と考えています。
会社の基準をつくる。
その基準を誰でも理解できるように見える形にする。
リーダーが理解する。
リーダーからメンバーへ伝える。
実際の仕事でやってみる。
できているか確認する。
問題があれば改善する。
そして、また会社の標準として残していく。
この循環をつくることができれば、会社の仕事が安定するだけではありません。
リーダーも育ちます。
メンバーも育ちます。
できる人が増えます。
任せられる仕事も増えていきます。
今回は、アクトがなぜ「仕組み化」と「人材育成」をセットで考えているのかについて、現在実際に取り組んでいることをもとに書いてみたいと思います。
属人化とは何か?
私が考える属人化とは、
「特定の人の知識・経験・記憶・判断がなければ、その仕事がうまく進まない状態」
です。
例えば、
「あの仕事は○○さんしか分からない」
「あの人が休みだと対応できない」
「教える人によって言っていることが違う」
「過去にどう対応したのか、本人に聞かなければ分からない」
「同じ仕事なのに、担当者によって完成状態が違う」
こうした状態です。
少人数の会社では、ある程度は自然に発生するものだと思います。
一人ひとりが複数の役割を持っていますし、経験年数によって知識にも差があります。
問題なのは、属人化があることそのものより、
「属人化していることに気づかず、その状態を放置してしまうこと」
ではないでしょうか。
普段は仕事が回っているので、問題が見えないこともあります。
しかし、担当者が休んだり、別の仕事で忙しくなったり、新しい人へ引き継ごうとしたときに、
「これ、他の人には分からないな」
と初めて気づく。
だから最近のアクトでは、日常業務についても、
「この仕事は誰がやっているのか」
「その人しかできない状態になっていないか」
「他の人へ渡せる状態になっているか」
「判断基準は言語化されているか」
という視点を持つようにしています。
属人化対策は「人を減らすこと」ではなく「できる人を増やすこと」
属人化対策という言葉を聞くと、
システム化する。
自動化する。
マニュアルを作る。
というイメージが強いかもしれません。
もちろん、それらも大切です。
ただ、私がもう一つ大切だと思っているのが、
「できる人を増やすこと」
です。
一人しかできない仕事を、二人ができるようにする。
リーダーしかできなかった仕事を、経験を積んだメンバーにも任せてみる。
社長しか判断できなかったことを、共通の判断基準を持ったリーダーやマネージャーへ少しずつ任せていく。
これも、重要な属人化対策だと思います。
そして、できる人を増やすことは、そのまま社員の成長にもつながります。
だから私は、
「属人化をなくすための仕組み化」と「社員を育てるための仕組み化」は、同時に進められる
と考えています。
なぜ基準化・標準化が必要なのか?
人へ仕事を任せるためには、基準が必要です。
何をもって「できている」とするのか。
どこまでやれば完了なのか。
何を確認しなければならないのか。
絶対にやってはいけないことは何なのか。
会社として求めている品質はどこなのか。
これが曖昧なまま、
「自分で考えてやってみて」
と言われても、教わる側は困ります。
経験者は、自分の経験によって判断できます。
しかし、その判断材料は経験者の頭の中にあります。
経験が浅い人には見えません。
だから、経験者が無意識に持っている基準を、できるだけ言葉にする。
必要なら写真にする。
図にする。
チェック項目にする。
マニュアルにする。
私はこれを、
「個人の頭の中にある基準を、会社の財産に変える作業」
だと考えています。
「誰に教わってもアクトの基準は同じ」を目指す
標準化を進めるうえで、私が目指している状態があります。
それは、
「誰に教わっても、アクトとしての基準は同じ」
という状態です。
もちろん、人にはそれぞれ個性があります。
説明が上手な人もいれば、実際にやって見せるのが上手な人もいます。
経験も得意分野も違います。
そこまで全部同じにする必要はありません。
しかし、
安全の基準。
品質の基準。
写真の基準。
報告の基準。
お客様との約束。
絶対に行ってはいけない行為。
会社として大切にしている判断基準。
こうした根本部分については、人によって大きく変わらない方がいい。
リーダーAから教わったらOK。
リーダーBから教わったらNG。
これではメンバーが迷います。
ですから、
「伝え方には個性があっても、会社としての基準は揃える」
という状態を目指しています。
マニュアルは社員を縛るためにつくるものではない
会社でマニュアルを増やすという話をすると、
「細かいルールばかりにならないか」
「社員が自分で考えなくならないか」
という見方もあると思います。
私は、マニュアルの目的を「社員を縛ること」だとは考えていません。
むしろ逆です。
何も基準がない状態の方が、新しい人にとっては難しい。
「先輩のやり方を見て覚えて」
「その場で考えて」
「経験すれば分かる」
だけでは、成長するまでに時間がかかります。
そして、場合によっては間違った方法まで受け継いでしまいます。
特に私たちの仕事は、電気工事・電気通信工事です。
安全に関わることがあります。
品質に関わることがあります。
お客様の設備に関わります。
「人によって違う」で済ませてはいけない部分があります。
だから、基本となる型を会社が用意する。
まず基準を知る。
なぜそうするのか理解する。
実際に行う。
一人でもできるようになる。
そのうえで、
「もっと良い方法はないか」
と考えていく。
私は、標準化とは「考えなくてもいいようにすること」ではなく、
「正しく考えるための土台をつくること」
だと思っています。
見える参考資料をつくる理由
文章だけで伝えることが最適とは限りません。
現場仕事では、
「正しい状態がどういう状態なのか」
を写真や図で見た方が早いこともあります。
そこでアクトでは、必要に応じてマニュアルだけではなく、可視化した参考資料も作成しています。
文章。
写真。
図。
比較。
注意点。
完成状態。
こうしたものを組み合わせて、
「見れば分かる」
状態に近づけていく。
口頭説明だけの場合、
伝えた人は「説明した」と思っていても、受け取った人が同じように理解しているとは限りません。
だから、
「言ったから分かっているはず」
ではなく、
「同じ基準を共有できる状態になっているか」
を大切にしたい。
そのための道具として、マニュアルや参考資料を使っています。
マニュアルを作っただけでは、仕組み化とは言えない
ここは、私が特に大切だと思っている部分です。
マニュアルを作る。
共有フォルダへ入れる。
社員へ送る。
これだけで仕組み化が完了したとは考えていません。
なぜなら、資料が存在していても、実際の行動が変わらなければ現場は何も変わらないからです。
私たちが大切にしている流れは、
基準化する。
標準化する。
マニュアルや参考資料として可視化する。
リーダークラスへ共有する。
リーダーが内容と目的を理解する。
リーダーからメンバーへ育成・周知する。
現場で実行する。
実行できているか確認する。
問題があれば改善する。
そして、改善したものを再び標準化する。
という流れです。
私は、この最後の「実行」まで行って初めて、仕組みが機能したと言えると思っています。
アクトでは以前から、
知る。
分かる。
行う。
出来る。
分かち合う。
という成長の段階を大切にしています。
マニュアルを読んだだけなら、「知る」です。
内容を理解したら、「分かる」です。
しかし、それだけでは現場は変わりません。
実際に「行う」。
繰り返して「出来る」ようになる。
そして、自分が身につけたことを次の人へ「分かち合う」。
会社の仕組み化も、同じだと思っています。
なぜ「リーダーからメンバーへ」のルートを大切にするのか
アクトでは、会社が作った基準や資料を、すべて社長からメンバーへ直接伝え続ける組織にはしたくありません。
リーダークラスからメンバーへ育成・周知するルートを大切にしています。
なぜなら、それ自体がリーダー育成になるからです。
メンバーのときは、
「自分ができる」
ことが大切です。
しかし、リーダーになると求められるものが変わります。
自分が理解する。
自分ができる。
だけではなく、
相手が理解できるように伝える。
実際にやって見せる。
任せる。
確認する。
必要なフィードバックをする。
チーム全体として基準を満たす状態をつくる。
という役割が加わります。
つまり、
「自分ができる人」から、
「人を通じて成果をつくれる人」
へ変わっていく必要があります。
会社の基準をリーダーからメンバーへ伝える仕組みは、単なる情報伝達ルートではありません。
リーダー自身が成長するための機会でもあるのです。
仕組み化そのものを人材育成にする
私は、研修だけが人材育成ではないと思っています。
もちろん研修も大切です。
資格取得も大切です。
安全教育も必要です。
しかし、実際の仕事を任せることも大きな育成です。
アクトでは最近、これまでリーダークラスが中心に行っていた施工写真の格納・提出に関する仕事を、ある程度経験を積んだメンバーにも任せ始めています。
これも、単純な業務分散だけが目的ではありません。
写真を提出する側の仕事を経験すると、
「なぜこの写真が必要なのか」
「どのような写真なら成果物として使えるのか」
「元請会社は何を確認したいのか」
が分かるようになります。
そうすると、現場で写真を撮影するときにも、
「後で提出するときに必要になるから、この写真を撮っておこう」
と逆算できるようになります。
仕事の一部分だけではなく、前後の工程が見えるようになる。
これも成長です。
ただし、いきなり仕事を渡して、
「今日からお願いします」
では、ただの丸投げになってしまいます。
だからマニュアルを整える。
基準を見えるようにする。
リーダーから教える。
実際に任せる。
成果物を確認する。
フィードバックする。
またやってもらう。
この繰り返しが必要です。
「任せる」と「丸投げ」は違う
人材育成の中で、私はここを間違えないようにしたいと思っています。
「成長してほしいから任せた」
と言いながら、
基準を教えていない。
必要な情報を渡していない。
困ったときの相談先もない。
終わった後のフィードバックもない。
それでは、育成とは言えないと思います。
私たちが目指したいのは、
教える。
基準を見えるようにする。
やってみてもらう。
見守る。
必要なときは支援する。
結果を確認する。
フィードバックする。
もう一度挑戦してもらう。
という流れです。
仕組みがあるから、安心して任せられる。
任せられるから、本人が経験できる。
経験できるから、できる人が増える。
この循環をつくりたいと考えています。
忘れ物や手戻りも「注意してください」で終わらせない
仕組み化は、大きな業務だけに必要なものではありません。
日常の小さな問題にも必要です。
例えば、忘れ物が続いた。
お客様に迷惑をかけてしまった。
社内で手戻りが発生した。
そんなとき、
「次から気をつけてください」
だけで終わらせることは簡単です。
もちろん本人が意識することも必要です。
しかし、人の注意力だけに依存していたら、同じことがまた起きるかもしれません。
そこで、
なぜ起きたのか。
物理的に防ぐ方法はないか。
確認する仕組みを作れないか。
日常業務へ組み込めないか。
ということを考える。
実際にアクトでも、必要に応じて朝の確認などを日常業務へ追加しています。
業務は少し増えます。
でも、その結果として忘れ物や手戻りを防げるのであれば、私は効果的だと考えます。
問題が起きる。
原因を考える。
対策する。
標準化する。
日常的に実行する。
効果を確認する。
また問題が見つかったら改善する。
会社は、この繰り返しで少しずつ強くなっていくのだと思います。
仕組み化は「効率化」だけが目的ではない
仕組み化というと、
「業務を早くする」
「手間を減らす」
という効率化が目的になりやすいと思います。
効率はもちろん大切です。
しかし、アクトでは最近、
「効率的か」だけではなく、
「効果的か」
という視点を大切にしています。
少し手間が増えたとしても、
事故を防げる。
品質が安定する。
忘れ物を防げる。
メンバーが成長できる。
できる人が増える。
長期的に会社が強くなる。
のであれば、その仕組みには意味があります。
短期的な効率だけを追いかけると、本来必要な確認まで省いてしまうことがあります。
私たちの仕事では、それが安全や品質へ影響する可能性があります。
だから、
「楽になる仕組み」
だけではなく、
「正しい行動を再現しやすくする仕組み」
をつくりたいと思っています。
標準化と改善は反対ではない
標準化すると、
「決められた方法しかできなくなるのではないか」
と思う人もいるかもしれません。
私は、標準化と改善は反対ではないと思っています。
今の時点で一番良いと考える方法を、まず標準にする。
全員がその基準で実行する。
その中で、
「もっと安全な方法がある」
「こちらの方が分かりやすい」
「この資料では新人が理解しづらい」
「ここは手順を変えた方が良い」
ということが見つかったら、改善する。
そして、良い改善であれば新しい標準にする。
つまり標準とは、
「永久に変えてはいけないもの」
ではありません。
現時点で会社が共有しているベストな基準です。
現場から改善案が出る。
リーダーが意見を出す。
メンバーが気づきを伝える。
会社として検討する。
そして、より良いものへ更新する。
私は、そういう会社の方が強いと思っています。
仕組みが人を育て、人が仕組みを育てる
ここまで考えていくと、会社と社員の関係も見えてきます。
最初は会社が仕組みをつくります。
その仕組みによって社員が仕事を覚えます。
仕事を覚れた社員が経験を積みます。
経験を積むと、新しい改善点に気づきます。
その改善によって仕組みがさらに良くなります。
そして、良くなった仕組みを次の社員が使う。
私は、
「仕組みが人を育て、人が仕組みを育てる」
という状態をつくりたいと思っています。
社長一人がずっとマニュアルを作り続ける会社ではありません。
リーダーが考える。
メンバーも意見を出す。
マネージャーが全体を見る。
現場で得た知識が会社へ蓄積される。
そして、また次の人へ渡っていく。
これが本当の意味での組織としての成長だと思います。
属人化をなくしても、人の価値はなくならない
「属人化をなくす」という言葉には、
「誰でも代わりができるようにする」
という少し冷たい印象があるかもしれません。
私は、そういう意味では考えていません。
ある人が10年かけて身につけた知識を、その人だけのものにしておく。
その人がずっと同じ仕事を抱え続ける。
それよりも、
その知識を次の人へ伝える。
次の人ができるようになる。
教えた人は、さらに難しい仕事へ挑戦する。
教わった人も成長する。
会社全体のできることが増える。
こちらの方が、本人にとっても組織にとっても価値があると思っています。
人の価値をなくすために標準化するのではありません。
その人が持っている価値を組織へ分かち合い、
本人にはさらに次の価値を身につけてもらう。
そのための仕組み化です。
最終的に目指すのは「社長がいなくても正しい判断ができる組織」
会社が成長していけば、社長である私がすべてを判断することはできません。
すべての現場に行くこともできません。
すべての社員へ毎回直接教えることもできません。
だからこそ、
会社として何を大切にするのか。
安全についてどう判断するのか。
品質とは何なのか。
お客様へどのような価値を届けるのか。
迷ったときに何を基準に選択するのか。
こうした部分まで、少しずつ共通化していく必要があります。
私が目指しているのは、
「社長がいなくても、共通の判断基準をもとに正しい判断ができる組織」
です。
これは、単純にマニュアルを増やせば実現できるものではありません。
基準をつくる。
言葉にする。
見えるようにする。
リーダーへ伝える。
リーダーがメンバーへ伝える。
実際にやってみる。
フィードバックする。
改善する。
それを何度も繰り返す。
その積み重ねが、最終的には会社の文化になっていくのだと思います。
標準化された100%の上に、アクトの20%をつくる
アクトでは、
「120%の喜びを提供する」
という理念を大切にしています。
私は、お客様が持っている不満・不安・不足を捉え、それにきちんと応えることが、まず100%だと考えています。
安全に施工する。
約束を守る。
必要な報告をする。
求められた品質を満たす。
必要な成果物を正しく提出する。
こうした基本が、担当者によって大きく変わってはいけません。
だから、まず100%の部分について再現性を高める。
ここに標準化の意味があります。
そのうえで、
「ここまでやったら、もっと喜んでもらえるのではないか」
「この提案もできるのではないか」
「先にここまで確認しておこう」
「お客様がまだ言葉にしていない不安を解消できないか」
と一人ひとりが考える。
それが、アクトとしてのプラス20%につながっていく。
私は、
「標準化された100%の土台があるからこそ、人が生み出す20%の付加価値が活きる」
と考えています。
全部をマニュアルにすることが目的ではありません。
基本を仕組みにすることで、人にしか生み出せない価値へ、もっと力を使えるようにする。
その状態を目指しています。
人が育つ仕組みをつくることが、会社を強くする
属人化を減らす。
基準化する。
標準化する。
マニュアルを整える。
参考資料を可視化する。
リーダーへ伝える。
リーダーからメンバーへ教える。
実際の仕事を任せる。
確認する。
フィードバックする。
改善する。
そして、新しい標準として残す。
一つひとつを見ると、地道な取り組みです。
でも私は、この積み重ねが非常に重要だと思っています。
なぜなら、
仕組みが整えば、人へ仕事を任せやすくなる。
仕事を任せれば、経験する人が増える。
経験する人が増えれば、できる人が増える。
できる人が増えれば、リーダーは次の仕事へ進める。
リーダーが成長すれば、さらにメンバーを育てられる。
そして、組織全体として提供できる価値が高くなっていくからです。
つまり、
基準化
↓
可視化
↓
育成・周知
↓
実行
↓
経験
↓
成長
↓
権限移譲
↓
改善
↓
再標準化
という循環です。
私たちが目指しているのは、
「優秀な誰かがいるから強い会社」
だけではありません。
「人が育つ仕組みがあるから、組織全体が強くなっていく会社」
です。
建設業のカラーを変えるために、まず自分たちの会社から
アクトは、
「建設業のカラーを変える」
というビジョンを掲げています。
そのためには、技術を磨くだけでは足りないと思っています。
人が育つ環境をつくる。
仕事を覚えられる道筋をつくる。
経験を次の世代へ渡せるようにする。
リーダーがメンバーを育てる。
マネージャーがその成長を支援する。
個人の経験を組織の財産へ変える。
そして、組織として安全・品質・お客様への価値を高め続ける。
こうした会社をつくっていくことも、「建設業のカラーを変える」ことにつながっていると私は思っています。
仕組み化は、人を管理するためだけのものではありません。
属人化をなくすためだけのものでもありません。
人が成長するための土台でもあります。
そして、人が育てば、また新しい仕組みが生まれます。
仕組みが人を育てる。
育った人が、次の人を育てる。
育った人が、さらに仕組みを良くする。
その循環を積み重ねながら、アクトという会社そのものの価値を高めていきたいと思います。
人が育てば、組織は変わる。
組織が変われば、お客様へ届けられる価値が変わる。
その価値が、建設業の未来を変えていく。
私たちアクトは、基準化・標準化と人づくりを両輪として、これからも組織の価値を高め、日本の通信・電気・インフラを支える力を磨き続けます。

安全と効率、どちらを選ぶのか?全社員で考えた「効果的 な判断」と近道行為をなくす組織づくり

今回は、株式会社アクトが全社員で実施した安全衛生協議会を通じて考えた「効果的な判断」についてお伝えします。効率だけを優先した近道行為がなぜ不安全につながるのか。
そして、自社・顧客・社会にとって長期的・本質的・客観的に正しい選択をするために、私たちが大切にしている判断基準をご紹介します。

代表の佐々木です。

先日、アクトでは社員全員に集まってもらい、1日をかけて安全衛生協議会を行いました。

安全ルールを確認するだけの1日にはしませんでした。

今回、みんなで考えたかったことがあります。

それは、

「私たちは、何を基準に判断するのか」

ということです。

現場では、毎日たくさんの判断があります。

予定通り進めるのか。

一度作業を止めるのか。

確認するのか。

そのまま進めるのか。

人を増やすのか。

応援を求めるのか。

やり直すのか。

お客様や元請会社へ相談するのか。

そして、その判断の積み重ねが、安全にも品質にも結果にもつながります。

だから私は、個別のルールを覚えることだけでなく、

判断の質そのものを高めることが重要

だと考えています。

結論。「効率的」より「効果的」を選ぶ

今回、社員のみんなへ伝えた判断基準の一つが、

「その選択は効果的か?」

という問いです。

効率的であることを否定しているわけではありません。

仕事を早くする。

無駄をなくす。

生産性を上げる。

手戻りを減らす。

どれも会社として大切です。

しかし、

「効率的」と「効果的」を天秤にかけなければならない場面では、アクトは効果的な方を選ぶ。

これを大切にしたいと思っています。

なぜなら、目の前の効率を優先することで、長期的な目的から外れてしまうことがあるからです。

特に建設現場では、その判断が安全に関わることがあります。

「早い」と「正しい」は同じではない

例えば、

「これくらいなら確認しなくても大丈夫だろう」

「いつもやっているから大丈夫だろう」

「少しだけだから、この手順は省いてもいいだろう」

「面倒だから、先に進めてしまおう」

一つひとつを見ると、ほんの小さな判断かもしれません。

そして、その瞬間だけを見れば、効率的に見えることがあります。

確認しなければ早い。

準備を省けば早い。

安全措置にかける時間を短縮すれば、作業時間だけを見れば短くなるかもしれない。

でも、

その判断は本当に効果的なのでしょうか。

事故が起きたらどうでしょう。

品質不良が発生したらどうでしょう。

やり直しになったらどうでしょう。

お客様へ迷惑をかけたらどうでしょう。

会社として信用を失ったらどうでしょう。

その瞬間の数分を短縮するために、もっと大きなものを失ってしまえば、それは私たちが求める成果ではありません。

近道行為は、事故の原因のもと

私は以前から社員に、

「近道行為は、事故の原因のもと」

と伝えています。

近道をした本人も、

「事故を起こしたい」

と思っているわけではないでしょう。

むしろ、

早く終わらせたい。

予定に間に合わせたい。

周りへ迷惑をかけたくない。

仕事を効率良く進めたい。

そんな気持ちから生まれることもあると思います。

だから難しい。

悪いことをしようと思って選択しているとは限らないからです。

しかし、

目的が良くても、選択が正しいとは限りません。

だからこそ、その場の感覚だけではなく、会社として共通の判断基準を持つ必要があります。

そもそも「効果的」とは何か

今回の安全衛生協議会では、ここをかなり大切にしました。

「効果的な判断をしよう」

と言うだけでは、

「何が効果的なのですか?」

となります。

そこで、その前提にある「正しさ」について考えました。

私たちアクトにとっての正しい選択とは、

会社だけにとって都合がいい選択ではありません。

自社にとって良い。

お客様にとって良い。

そして社会にとっても良い。

そのうえで、

長期的に考える。
本質的に考える。
客観的に考える。

私は、こうした視点から判断することを大切にしています。

会社にとって良くても、お客様に悪ければ正しいとは言えない

例えば、会社の利益だけを考えれば、できるだけ手間を減らした方が良いかもしれません。

でも、それによってお客様へ必要な品質を提供できないのであれば、私は正しい選択だとは思いません。

反対に、

お客様から求められたことであっても、安全上問題があるのであれば、そのまま実行することが正しいとも限りません。

そして、

自社とお客様には都合が良くても、社会的に問題がある方法なら、それも私たちが目指す正しさとは違います。

だから、

自社・顧客・社会。

この三つを見る。

どれか一つだけではなく、できるだけ広い視点から考える。

これは、私が会社経営でも大切にしている考え方です。

短期的には得でも、長期的には損かもしれない

もう一つ重要なのが、

長期的に見る

ということです。

安全確認を一つ省く。

短期的には数分早く終わるかもしれません。

でも、その判断を会社として許していけば、

「これくらいなら大丈夫」

が少しずつ増えていきます。

それが会社の文化になったらどうでしょう。

一回だけの数分の話ではなくなります。

反対に、

少し時間がかかっても、安全確認を確実に行う。

必要な準備をする。

分からなければ確認する。

危険だと思えば止める。

短期的には非効率に見える場面があるかもしれません。

しかし長期的には、

事故を防ぐ。

手戻りを減らす。

品質を安定させる。

お客様から信頼していただく。

社員が安心して働く。

会社として継続して仕事を任せていただく。

こちらの方が、はるかに大きな成果につながる可能性があります。

だから、

短期的な効率ではなく、長期的な効果を見る。

これが重要だと思っています。

これはアクトだけの感覚的な話ではない

安全については、私たちの社内だけの考えで終わらせてはいけないと思っています。

厚生労働省が2026年5月に公表した2025年の労働災害確定値では、労働災害による死亡者は全国で700人。そのうち建設業は214人で、業種別では最も多くなっています。また事故の型別では「墜落・転落」による死亡が186人で最多でした。

死亡者数全体は過去最少まで減少しています。

これは大切な前進だと思います。

しかし、建設業で働く私たちにとって、214人という数字を「減ったから良かった」だけで見ることはできません。

その一人ひとりに人生があります。

家族があります。

仲間がいます。

だから安全について、

「これくらいでいい」

という終わりはないと思っています。

安全は、現場に入ってから考えるものでもない

厚生労働省も、建設工事の安全について、施工段階だけではなく設計・受注・工法選択など、できる限り前段階からリスクを考えることを推進しています。

また、リスクアセスメントとは、危険性・有害性を特定し、リスクを見積もり、優先度を設定し、必要な低減措置を決めて記録する一連の手順とされています。

私はここにも大切な考え方があると思っています。

事故が起きてから、

「次から気をつけよう」

では遅い。

作業する前に考える。

危険を予測する。

必要な対策をする。

そして、作業方法や状況が変われば、もう一度考える。

つまり、

安全とは、事故が起きた後の対応ではなく、事故が起きる前の判断の積み重ね

でもあると思います。

ルールを増やすだけでは、安全文化にはならない

もちろん、ルールは必要です。

アクトでも安全に関するルールがあります。

マニュアルもつくります。

基準も決めます。

安全教育も行います。

資格取得も進めます。

ヘルメットには安全を意識するための表示も取り入れています。

しかし私は、

ルールを増やし続ければ安全になる、

とは考えていません。

なぜなら、現場ではルールブックに書いていない状況も起こるからです。

そのとき最後に必要になるのが、

一人ひとりの判断

だと思っています。

だから「判断基準」を共有する

私は将来的に、

何かあるたびに、

「社長、どうしましょう?」

と聞かなければ動けない組織にはしたくありません。

もちろん、相談は大切です。

分からないことを勝手に判断する必要もありません。

でも、会社として何を大切にするのか。

安全とは何なのか。

品質とは何なのか。

お客様への価値とは何なのか。

どんな選択を正しいと考えるのか。

こうした判断基準を共有していけば、社員自身が考えられる場面は増えていくはずです。

今回の安全衛生協議会で、

「効果的かどうか」

をみんなで考えたのも、そのためです。

効率化そのものを否定しているわけではない

ここは誤解してほしくありません。

私は効率化を否定していません。

むしろ、無駄な仕事は減らしたいと思っています。

忘れ物を減らす。

手戻りを減らす。

マニュアルをつくる。

基準を統一する。

情報共有を改善する。

適切に役割分担する。

人の力を借りる。

こうした改善によって、安全や品質を落とさずに効率を高められるのであれば、どんどん取り組むべきです。

問題なのは、

安全や品質を削って効率をつくること

です。

効率化には、

「無駄をなくして効率を上げる方法」

と、

「必要なものまで省いて早くする方法」

があります。

この二つを同じにしてはいけないと思っています。

近道と改善は違う

これは、現場で非常に重要な違いです。

決められた安全手順を面倒だから省く。

これは近道です。

一方で、

「この作業方法なら安全性を維持したまま、もっと分かりやすくできるのではないか」

と検討し、必要な確認を行い、正式な基準として改善する。

これは改善です。

結果だけを見ると、どちらも「早くなった」かもしれません。

でも、プロセスが全く違います。

近道は、必要なものを勝手に削る。

改善は、目的を守ったまま、より良い方法を考える。

私は社員に、この違いを理解してほしいと思っています。

効果的な選択は、ときに面倒である

安全な方を選ぶ。

一度確認する。

作業を止める。

相談する。

やり直す。

人を増やす。

準備をし直す。

こうした選択は、その瞬間には面倒に感じることがあります。

でも、

「面倒かどうか」

を判断基準にしてはいけない。

「早いかどうか」

だけでもいけない。

私たちが考えるべきなのは、

目的に対して、その選択が効果的なのか。

だと思っています。

アクトにとって「成果」とは何か

例えば現場で、

予定より早く作業が終わった。

これは一つの成果かもしれません。

でも、

安全確認を省いて早く終わったのであれば、私はそれを良い成果とは考えません。

施工が完了した。

でも品質に問題があり、後からやり直しになった。

これも、本当の意味で完工したとは言いにくい。

だからアクトでは、

安全に終える。
必要な品質を満たす。
お客様へ価値を届ける。
約束を守る。

ここまで含めて成果を考えたいと思っています。

早さだけを評価してしまえば、人は早さを優先するようになります。

だから会社側も、

何を成果として評価するのか

を明確にする必要があります。

安全は「効率を下げるもの」ではない

安全対策について、

「手間が増える」

「時間がかかる」

と感じることもあると思います。

でも長期的に考えれば、安全と生産性は必ずしも反対ではありません。

事故が起きれば作業は止まります。

手戻りが起きれば、同じ仕事をもう一度することになります。

忘れ物があれば、取りに戻る時間が発生します。

基準が曖昧なら、人によってやり方が変わり、確認や修正が増えます。

だからアクトでも、

忘れ物が頻発したら仕組みを変える。

手戻りが多ければ原因を考える。

基準が曖昧ならマニュアルをつくる。

必要なら毎朝のルーティンへ組み込む。

こうした改善を行っています。

目の前の作業をただ早くするのではなく、

問題そのものが起きにくい仕組みをつくる。

私は、こちらの方が本当の意味で効率的であり、効果的だと思っています。

「なぜ」を理解して初めて判断できる

だからアクトの安全教育では、

「これを守ってください」

だけでは終わらせないようにしています。

なぜこの安全ルールがあるのか。

なぜこの方法なのか。

守らなければ何が起きる可能性があるのか。

そこまで伝える。

特に未経験で入社した社員は、危険そのものをまだ知りません。

知らない人に、

「自分で考えろ」

と言っても難しい。

まず正しい情報を渡す。

知る。

理解する。

行動する。

経験する。

そして、少しずつ自分で判断できるようになる。

私は以前から、

情報とは最大の武器

だと考えています。

正しい情報がなければ、自分を守ることはできません。

そして自分を守る知識がなければ、仲間を守ることも難しいと思っています。

「自分で考える」と「勝手にやる」は違う

自律した社員を育てたい。

これは私が強く考えていることです。

ただ、

「自分で考えてください」

という言葉を間違えると、

「自分の好きな方法でやっていい」

になってしまいます。

それは違います。

まず、守るべきルールがあります。

会社としての基準があります。

安全上、絶対に省いてはいけないものがあります。

そのうえで、

目的を理解し、

状況を考え、

必要なら相談し、

より良い選択をする。

これが、私が考える自律です。

迷ったら「誰にとって良いのか」を考える

判断に迷ったとき、今回共有した考え方は非常にシンプルです。

その判断は効果的か。

そして、

誰にとって良いのか。

会社だけか。

自分だけか。

お客様だけか。

できるだけ視野を広げる。

自社にとって。

お客様にとって。

社会にとって。

そして、

短期ではなく長期。

表面的ではなく本質。

自分の感情だけではなく客観的に見る。

私は、これを社員一人ひとりが考えられる会社にしたいと思っています。

120%の喜びと「効果的な判断」はつながっている

アクトの経営理念は、

「120%の喜びを提供する」

です。

お客様が持っている不満・不安・不足を解消し、求められているニーズへきちんと応える。

私はこれを、まず100%だと考えています。

そのうえで、

こちらから提案する。

先回りする。

もっと安心してもらえる方法を考える。

お客様がまだ気づいていない問題まで考える。

そこに20%の付加価値をつくる。

でも、その20%をつくるために安全を削るのであれば、本末転倒です。

安全は120%の中に後から足すものではありません。

安全は、100%を成立させるための土台です。

一日仕事を止めても、全社員で考えたかった

今回、安全衛生協議会には一日を使いました。

当然、その時間に通常業務を行うことはできません。

短期的な効率だけで考えれば、

「一日現場へ出た方がいい」

という見方もできるかもしれません。

それでも私は、

社員全員で安全や理念、判断基準について考える時間には価値があると思っています。

なぜなら、

今日一日の生産量だけではなく、

これから何年も使う判断基準を共有する時間

だからです。

これも、今回みんなで考えた「効率的」と「効果的」の違いそのものかもしれません。

判断の質が、仕事の質になる

技術を磨く。

資格を取得する。

マニュアルを整える。

設備を整える。

どれも重要です。

でも最後に、それらを使うのは人です。

そして人は、毎日判断します。

だから、

判断の質が上がれば、行動の質が上がる。
行動の質が上がれば、安全と品質が上がる。
安全と品質が上がれば、お客様へ届けられる価値が上がる。

私はそう考えています。

だからアクトでは、技術教育だけではなく、

「どう考えるか」

についても社員と一緒に学んでいきたいと思っています。

正しい選択を積み重ねる会社へ

安全第一。

この言葉を掲げるだけなら簡単です。

大切なのは、実際の現場で選択できるかどうかです。

予定が厳しいとき。

面倒なとき。

誰も見ていないとき。

早く帰りたいとき。

「これくらい大丈夫だろう」

と思ったとき。

その瞬間に、

「この選択は本当に効果的か?」

と考えられるか。

私は、そこに会社の安全文化が表れると思っています。

効率は大切。

でも、効果と効率がぶつかったら効果を選ぶ。

自社だけではなく、顧客と社会を見る。

短期だけではなく、長期を見る。

表面的な楽さではなく、本質を見る。

感情だけではなく、客観的に考える。

そして、正しいと思ったことを実行する。

そんな判断ができる人を、一人ずつ増やしていきたいと思っています。

それが社員自身を守る。

仲間を守る。

お客様を守る。

会社の信用を守る。

そして、私たちが携わる日本の通信・電気・インフラを、安全に支えていく力になる。

アクトはこれからも、

「その判断は効果的か」

を問い続けながら、長期的・本質的・客観的に正しい選択を積み重ねる組織を目指していきます。

人が育てば、組織は変わる。
組織が変われば、お客様へ届けられる価値が変わる。
その価値が、建設業の未来を変えていく。

私たちアクトは、人づくりを通じて社会へ価値を届け続けます。

仕事ができる人ほど「人の力を借りる」――建設業のリー ダーに必要な力とは

今回は、電気工事・電気通信工事を行う株式会社アクトが、リーダーに求めている「人の力を借りる力」についてお伝えします。
一人で抱えるのではなく、班の力を引き出し、元請会社や仲間と協力しながら安全・品質・成果をつくることが、なぜこれからの建設業のリーダーに必要なのかを考えます。

代表の佐々木です。

最近、アクトではリーダークラスの評価制度を見直しています。

メンバークラスについては、成長の段階や評価基準をかなり明確にしてきました。

次はリーダークラスです。

リーダーになったら、何ができれば次の成長につながるのか。

会社は何を求めているのか。

本人がどこを伸ばせばいいのか。

それをできるだけ明確にしたいと思っています。

その中で、私が特に重要だと考えている能力があります。

それが、

「人の力を借りる力」

です。

少し変わった表現に聞こえるかもしれません。

普通、仕事ができる人というと、

「一人で何でもできる人」

を想像するかもしれません。

もちろん個人の技術力は重要です。

でも、リーダーになったら、それだけでは足りない。

むしろ、

自分一人で何とかしようとすることが、組織としては弱さになることさえある。

最近、そんなことを強く感じています。

技術者として優秀なことと、良いリーダーであることは同じではない

建設業では、技術の高い人が評価されます。

施工が速い。

知識が豊富。

トラブルに対応できる。

図面を理解できる。

現場経験が豊富。

もちろん、どれも大切です。

アクトでも技術力は高め続けてほしいと思っています。

ただ、技術者として非常に優秀だからといって、そのまま優秀なリーダーになれるとは限りません。

なぜなら、リーダーになった瞬間から、

「自分ができるか」だけではなく「チームとしてできるか」

が求められるからです。

一人で100点を取る仕事から、チームで成果を出す仕事へ

メンバーの頃は、

自分の仕事を安全にできる。

自分の作業を正確にできる。

指示された仕事を期日までに終えられる。

まずはここが重要です。

ところが、リーダーになると状況が変わります。

自分だけ完璧に施工できても、班全体が安全に動けなければ意味がありません。

自分だけ予定を理解していても、メンバーが理解していなければ現場は進みません。

自分だけ品質基準を知っていても、班員が知らなければ成果物の品質は安定しません。

だからリーダーは、

「自分の能力を使う仕事」から「チームの能力を使う仕事」へ

少しずつ変わっていかなければならないと思っています。

人の力を借りるとは、丸投げすることではない

ここは非常に大切です。

人の力を借りるというと、

「自分の仕事を人にやらせる」

という意味にも聞こえます。

私が考えているのは、それとは違います。

この人は何が得意なのか。

今日は誰に何を任せるのか。

誰に確認してもらうのか。

自分だけでは判断できないことを誰に相談するのか。

元請会社とどのタイミングで情報共有するのか。

専門知識が必要なら誰の知恵を借りるのか。

問題が起きたとき、誰と協力すれば最も安全で効果的に解決できるのか。

こういうことを考え、

自分以外の力も含めて成果をつくる能力

を、私は「人の力を借りる力」と考えています。

リーダーの仕事は「全部自分でやること」ではない

仕事ができる人ほど、

「自分でやった方が早い」

と思うことがあります。

これは、よく分かります。

経験の浅い人へ説明する。

一度やってもらう。

確認する。

間違っていれば教える。

確かに、自分でやった方が短期的には早いことがあります。

でも、それを毎回続けたらどうなるでしょうか。

リーダーだけが忙しくなる。

メンバーはいつまでもできるようにならない。

リーダーが休むと仕事が止まる。

そして次のリーダーも育たない。

短期的には効率的に見えても、

長期的には組織の成長を止めてしまう可能性があります。

私は、ここで「効率的」と「効果的」を分けて考えることが重要だと思っています。

「効率的」と「効果的」は同じではない

最近、社内でもこの考え方を大切にしています。

早い。

楽。

手間が少ない。

これは効率という面では大切です。

でも、

その選択は本当に目的達成に対して効果的なのか。

そこまで考えなければなりません。

例えば、安全確認を一つ省けば、数分早く終わるかもしれません。

確認写真を減らせば、少し楽になるかもしれません。

経験のある人が全部作業すれば、その日の作業は早く終わるかもしれません。

でも、それによって事故の可能性が高まったら。

品質が下がったら。

次の人が育たなかったら。

本当に効果的だったのでしょうか。

私はそうは思いません。

近道行為は、事故の原因のもと

現場では、

「これくらいなら大丈夫だろう」

という判断が出てしまうことがあります。

少し近道する。

少し確認を省く。

いつもやっているから大丈夫。

今まで事故がなかったから大丈夫。

でも、私は社員に、

近道行為は事故の原因のもと

だと伝えています。

短期的な効率を優先した結果、安全を失ってしまったら何の意味もありません。

「事故を起こしたいですか?」

と聞けば、当然誰も望んでいません。

だったら、日々の小さな選択でも、

「どちらが本当に効果的なのか」

を考える必要があります。

これはリーダーに特に必要な判断基準だと思っています。

安全に現場を終わらせることが成果

アクトがリーダーに求めている成果の一つは、

現場を安全に完工させること

です。

ただ工事を終わらせればいいわけではありません。

早く終わればいいわけでもありません。

事故なく終える。

必要な品質を満たす。

お客様や元請会社との約束を守る。

メンバーを安全に帰す。

必要な成果物まできちんと完成させる。

そこまで含めて完工です。

だから、リーダー自身の技術力だけを評価しても不十分です。

班全体をどう動かしたのか。

周囲とどう協力したのか。

必要な場面で相談できたのか。

問題が起きたときに人の力を借りられたのか。

こうした力も評価していきたいと考えています。

元請会社も「一緒に現場を完成させる仲間」

建設業の仕事は、自社だけでは完結しません。

特に私たちのような電気工事・電気通信工事では、元請会社、協力会社、施設側の担当者、他工種など、多くの人と関わりながら現場を進めます。

だから私は、

元請会社と協力して現場を安全に完工させる力

も、リーダーにとって重要だと考えています。

元請からの指示だから従う。

問題があったら元請のせいにする。

それだけでは良い仕事にはなりません。

分からないなら確認する。

情報が不足しているなら聞く。

危険だと思ったら相談する。

もっと良い方法があるなら提案する。

必要なら協力を求める。

お互いの役割を理解しながら、一つの現場を完成させていく。

私は、これも「人の力を借りる力」の一つだと思っています。

コントロールできないことに力を使いすぎない

現場では、自分では変えられないことも起こります。

予定が変わる。

資料に不足がある。

他の工程が遅れる。

想定していなかった問題が起こる。

相手が自分の思った通りに動いてくれない。

当然、ストレスを感じることもあります。

でも、

「相手が悪い」

だけで終わっても、現場は前へ進みません。

だから私は、

自分が次に何をできるか

を考えられる人に成長してほしいと思っています。

これは、

「何でも自分が悪いと思え」

という話ではありません。

原因は冷静に確認する。

相手側に問題があるなら、その事実も整理する。

そのうえで、

では、自分たちは次に何ができるのか。

ここへ思考を進める。

自責とは、自分を責めることではない

私は社員の成長を考えるうえで、

自責

を大切にしています。

ただし、自責を「全部自分が悪いと思うこと」だとは考えていません。

何か問題が起きた。

まず事実を見る。

原因を考える。

そして、

自分がコントロールできる範囲で、次に何を実行するかを決める。

これが重要です。

私の中では、

自責
↓
原因分析
↓
ネクストアクション
↓
実行

までが一つです。

「次から気をつけます」

では、まだ行動になっていません。

何をするのか。

いつするのか。

次の現場では何を変えるのか。

実行できるところまで落とす。

私は、ここを大切にしています。

言葉だけなら、まだ音に過ぎない

私は、社員を「言ったこと」だけでは評価しません。

「頑張ります」

「次からやります」

「目標を達成します」

言葉にすることは大切です。

でも、言葉だけなら、まだ音に過ぎない。

その後、

本当にやったのか。

行動を変えたのか。

継続したのか。

結果を確認したのか。

私はそこを見ています。

これはリーダーも同じです。

「メンバーを成長させたい」

と言うだけではなく、

実際に仕事を任せたか。

必要なフィードバックをしたか。

相談に乗ったか。

自分が抱えていた仕事を一つ渡したか。

行動に変わって初めて、組織は変わります。

良い人間関係だからこそ、必要なことを伝える

アクトでは、

良好な人間関係と高業績の両立

を目指しています。

ここでいう良好な人間関係は、

何でも許すことではありません。

仲良しグループをつくることでもありません。

安全上、間違っている。

品質上、改善が必要。

仕事の進め方を変えた方がいい。

本人の成長のために伝えた方がいい。

そう思ったのであれば、必要なことは伝える。

ただし、

感情をぶつけるのではなく、

相手の成長を支援するために伝える。

私は、その違いを大切にしています。

「嫌われないリーダー」より「成長を支援できるリーダー」

人をまとめる立場になると、

「嫌われたくない」

という気持ちが出ることもあると思います。

それ自体は自然なことです。

でも、必要なことを何も言わなければ、本当にその人のためになるでしょうか。

危険な行動をしている。

報告が不足している。

期日を守れていない。

チームに影響する行動がある。

それを知りながら何も言わない。

私は、それが必ずしも優しさだとは思いません。

大切なのは、

「何のために伝えるのか」

です。

相手を否定したいのではない。

自分の言うことを聞かせたいのでもない。

その人に成長してほしい。

チームを良くしたい。

安全に現場を終えたい。

目的がそこにあるのであれば、必要なフィードバックはリーダーの仕事だと思っています。

リーダーは「人を動かす技術」を学ぶ必要がある

リーダーになると、

自分の手を動かす技術だけではなく、

人を動かす技術

が必要になります。

命令するという意味ではありません。

相手に目的を伝える。

役割を明確にする。

期待する基準を伝える。

必要な情報を渡す。

任せる。

確認する。

フィードバックする。

困っていたら支援する。

必要なら他の人の力を借りる。

これらを通して、チームとして成果を出す。

私はこれからのアクトのリーダーに、この力をさらに高めてもらいたいと思っています。

メンバーが成長すれば、リーダーも次へ進める

最近アクトでは、これまでリーダーが行っていた業務の一部を、経験を積んできたメンバーにも任せ始めています。

例えば施工写真の格納・提出業務です。

目的は、単なるリーダーの負担軽減ではありません。

メンバー自身に、

成果物として何が必要なのか。

どのクオリティーが求められているのか。

自分たちが現場で撮った写真が、その後どう使われるのか。

そこまで経験してほしいからです。

メンバーが一つ上の仕事を経験する。

できることが増える。

するとリーダーは、さらにリーダーにしかできない仕事へ時間を使えるようになります。

これが組織の成長だと思っています。

全部自分で抱える組織から、力を掛け合わせる組織へ

一人の能力には限界があります。

私自身もそうです。

社長だから何でも分かるわけではありません。

技術に詳しい人の力を借りる。

現場をよく知る人に聞く。

事務の意見を聞く。

リーダーの意見を聞く。

マネージャーに任せる。

専門家へ相談する。

お客様から教えていただくこともある。

そうやって、いろいろな人の力を掛け合わせる。

私は、組織の強さとは、

「一番能力の高い人がどれだけできるか」だけではなく、「それぞれの力をどれだけ掛け合わせられるか」

でも決まると思っています。

120%の喜びも、一人ではつくれない

アクトの経営理念は、

「120%の喜びを提供する」

です。

私は、お客様が抱える不満・不安・不足を解消し、求められているニーズへきちんと応えることを、まず100%だと考えています。

そのうえで、

こちらから何を提案できるか。

何を先回りできるか。

どうすればもっと安心してもらえるか。

どんな付加価値を提供できるか。

そこに20%を加える。

しかし、この120%も、一人のスーパーマンだけでつくるものではありません。

現場のメンバー。

リーダー。

マネージャー。

事務。

協力会社。

元請会社。

お客様。

いろいろな人との関係の中で、より良い答えをつくっていく。

だからこそ、人の力を借りる能力が必要です。

「助けてください」と言えることも強さ

分からないことを、

「分かりません」

と言う。

できないことを、

「力を貸してください」

と言う。

私は、これは弱さではないと思っています。

分からないまま進める方が危険です。

抱え込んで問題を大きくする方が、組織としては困ります。

重要なのは、

何でも人任せにすることではありません。

自分で考える。

自分で調べる。

できることをやる。

それでも必要なら、人の力を借りる。

そして、借りた力から学び、次は自分でもできるようになる。

これも成長です。

リーダーが変われば、組織は変わる

私は今、アクトのリーダークラスに対して、

「もっとこうしろ」

と一方的に押しつけたいわけではありません。

会社として何を目指すのか。

リーダーには何を期待しているのか。

どのような判断基準を大切にするのか。

それを一緒に明確にしていきたいと思っています。

そして評価制度についても、会社側だけで完成させて終わりではなく、実際にリーダーたちにも見てもらい、意見をもらいながらブラッシュアップしていきたい。

自分たちがどこを目指しているのかが分かる。

今、自分がどこにいるのかが分かる。

次に何を身につければいいのかが分かる。

そんな見通しのある成長環境をつくりたいと思っています。

社長がいなくても判断できる組織へ

私が最終的に目指しているのは、

何でも社長へ確認しなければ動けない会社ではありません。

安全とは何か。

品質とは何か。

お客様への価値とは何か。

効果的な選択とは何か。

人をどう大切にするのか。

何を優先すべきなのか。

こうした判断基準を共有し、

それぞれのリーダーが、自分で考えて判断できる組織

にしたい。

そのためには、私自身が持っている判断基準も言葉にして伝えなければなりません。

そして実際に任せなければなりません。

任せる。

考えてもらう。

行動してもらう。

振り返る。

また任せる。

会社も同じように成長していく必要があります。

人の力を借りられる人が、より大きな価値をつくる

自分一人でできることを増やす。

これは大切です。

でも、その先があります。

人の力を借りる。

人の強みを活かす。

周囲と協力する。

必要なことを伝える。

任せる。

そして、チームとして自分一人ではつくれなかった成果を生み出す。

私は、それがリーダーとしての大きな成長だと思っています。

電気工事も、電気通信工事も、一人ではできません。

そして、日本のインフラを支える仕事は、なおさら一人ではできません。

だからアクトは、

一人のスーパーマンをつくる会社ではなく、一人ひとりの価値を高め、その力を掛け合わせられる組織

を目指していきます。

自分の技術を磨く。

人の力を借りる。

仲間の力を引き出す。

元請会社と協力する。

お客様のニーズを理解する。

そして、チームとして120%の価値を届ける。

その積み重ねによって、社会から本当に必要とされる組織へ成長していきたい。

人が育てば、組織は変わる。
組織が変われば、お客様へ届けられる価値が変わる。
その価値が、建設業の未来を変えていく。

私たちアクトは、人づくりを通じて、日本の通信・電気・インフラを支える力を高め続けます。

安全ルールは「守れ」だけでは伝わらない。未経験者を 育てる電気工事会社が「なぜ」まで教える理由

今回は、電気工事・電気通信工事を行う株式会社アクトが、新入社員への安全教育で「ルールを守る」だけではなく、「なぜそのルールが必要なのか」まで伝えている理由をお伝えします。
未経験者が自分と仲間を守れる技術者へ成長するために、会社としてどのような教育環境をつくっているのかをご紹介します。

代表の佐々木です。

最近、アクトでは未経験から入社してくれる仲間が増えています。

直近でも未経験者2名を採用しました。

そのうちの一人は、今回が初めての就職です。

電気工事も未経験。

電気通信工事も未経験。

社会人として働くこと自体が初めてです。

こういう社員を迎えると、会社側も改めて考えさせられます。

私たちは、何をどの順番で教えるべきなのか。

現場へ連れていって、

「先輩を見ながら覚えて」

だけで、本当にいいのだろうか。

もちろん、現場でしか学べないことはたくさんあります。

しかし、現場に出る前に会社として伝えなければならないこともあります。

特に、安全です。

私は安全教育について、

「これはルールだから守ってください」

だけでは足りないと思っています。

なぜ、そのルールがあるのか。

なぜ、そのやり方をしなければならないのか。

守らなかったら、何が起きる可能性があるのか。

そこまで理解して、初めて本当の意味で安全に対する知識が身につき始める。

だから私は、新しく入った社員にも、

「なぜ?」まで伝える安全教育

を大切にしています。

未経験者を採用するなら、会社にも責任がある

「未経験歓迎」

求人ではよく見る言葉です。

アクトも未経験者を採用しています。

私は、未経験者が建設業へ入ってきてくれることを嬉しく思っています。

でも、会社が「未経験歓迎」と言うのであれば、その後のことまで考える必要があると思っています。

未経験なのですから、知らなくて当然です。

建設現場で使われる言葉も分からない。

道具の名前も分からない。

安全ルールも知らない。

仕事の流れも分からない。

何が危険なのかすら分からないことがあります。

そこで、

「そんなことも知らないの?」

と言っても仕方がありません。

知らない人を採用したのは会社です。

だったら、

知らない状態から、どうやって一人前へ近づいてもらうか。

そこまで考えることが、未経験者を採用する会社の責任だと思っています。

入社したら、すぐ現場ではない

今回の新入社員については、まず人事担当による研修を約2.5日行いました。

社会人としての基本的なルール。

会社というものの仕組み。

ビジネスで使われる言葉。

ビジネスマナー。

そして、

アクトが何を大切にしている会社なのか。

どこへ向かっているのか。

どのような考えで社員を評価しているのか。

会社の理念やビジョン、評価制度についても伝えています。

技術だけ教えればいいとは考えていません。

これから働く会社が、

「何を大切にしているのか」

を知ることも大切だからです。

そのうえで、安全や現場に関係する教育にも約3.5日かけました。

合わせれば、約6日間です。

もちろん、6日間研修したから一人前になるわけではありません。

むしろ、ここがスタートです。

でも、

何も知らない状態のまま現場へ出すのと、最低限の知識と考え方を持って現場へ出るのとでは、大きな違いがある。

私はそう考えています。

「安全第一」と言うだけなら簡単

建設業では、

「安全第一」

という言葉をよく使います。

アクトでも当然、安全は非常に重要です。

最近はヘルメットにも安全に関するステッカーを貼り、日常的に安全を意識できるような取り組みも行っています。

ただ、

「安全第一!」

と言っているだけで事故がなくなるのであれば、誰も苦労しません。

重要なのは、その言葉を実際の行動に変えることです。

例えば、

なぜ指差し確認をするのか。

なぜ墜落制止用器具が必要なのか。

なぜ決められた手順を守るのか。

なぜ作業前に確認するのか。

なぜ危険箇所を共有するのか。

一つひとつには理由があります。

だから、安全教育でも、

ルールそのものだけではなく、そのルールが存在する理由まで理解する。

そこを大切にしています。

「言われたからやる」から卒業してほしい

私は、社員に最終的には自分で考えられる人になってほしいと思っています。

ただし、安全について、

「自分で考える=自分の好きな方法でやる」

ではありません。

ここは非常に重要です。

守らなければならない安全ルールは守る。

決められた基準を勝手に変えない。

そのうえで、

なぜ、そのルールが必要なのかを自分の頭で理解する。

そして、ルールの範囲の中で、

「もっと危険を減らせないか」

「ここも確認した方がいいのではないか」

「仲間にも伝えた方がいいのではないか」

と考える。

ここまでいけば、

「会社から言われたから安全活動をする」

ではなくなります。

自分と仲間を守るために、自分から安全な行動をする。

私はそこを目指したいと思っています。

実際に登ってみなければ分からないこともある

安全教育では座学だけではなく、訓練用の柱を使った昇降訓練も行っています。

実際に装備を身につける。

実際に柱を目の前にする。

実際に身体を動かす。

そうすると、資料を読んでいるだけでは分からなかったことが見えてきます。

「ここで身体が不安定になるんだ」

「この動作をするときに注意が必要なんだ」

「だから、この手順になっているのか」

知識と経験がつながっていきます。

安全に関する座学、必要な特別教育、実地での訓練、理解度の確認。

できるだけ一つひとつをつなげたいと思っています。

資格や教育を受けたという「記録」をつくることが目的ではありません。

現場で自分を守れる知識にすることが目的です。

情報とは最大の武器

安全教育をしていると、私はいつも思います。

情報とは最大の武器です。

危険を知らなければ、避けることができません。

正しい方法を知らなければ、間違っていることにも気づけません。

事故が起きる可能性を知らなければ、

「これくらい大丈夫だろう」

と判断してしまうかもしれません。

正しい安全知識がない状態では、自分自身を守ることができません。

そして、自分を守るための知識がなければ、仲間を守ることも難しい。

だから、

「知らなかった」

をできるだけ減らす。

会社が持っている知識を伝える。

先輩が経験から学んだことを伝える。

事故や失敗から得た教訓を基準にする。

曖昧なものがあればマニュアルにする。

私は、これも会社の責任だと思っています。

「見て覚えろ」だけでは、組織の知識にならない

建設業には、経験によって身につく技術がたくさんあります。

私は、それ自体を否定するつもりはありません。

職人の経験には非常に大きな価値があります。

しかし、

「あの人は知っている」

だけでは、会社としては弱い。

その人が休んだら分からない。

人によって教える内容が違う。

先輩によって判断基準が違う。

新人は誰を信じればいいのか分からない。

それでは組織として知識が蓄積されません。

だからアクトでは最近、

曖昧な基準をできるだけ見えるようにする

ことに力を入れています。

気になることがあればマニュアルをつくる。

写真で示した方が分かるなら写真を使う。

OKとNGがあるなら、できるだけ明確にする。

そして全員で共有する。

個人が持っている経験や知識を、

会社の共通財産に変えていく。

これが標準化だと私は考えています。

マニュアルを増やすことが目的ではない

もちろん、マニュアルを100個つくれば良い会社になるわけではありません。

大切なのは、

なぜマニュアルをつくるのか

です。

社員を細かく管理したいからではありません。

迷う時間を減らしたい。

人による品質のバラつきを減らしたい。

失敗を繰り返したくない。

安全を高めたい。

そして、新しく入った人が成長しやすい環境をつくりたい。

そのために必要なものを基準化しています。

最近では、現場以外の写真提出業務についてもマニュアルをつくりました。

これまでリーダークラスが中心に行っていた仕事ですが、少しずつ慣れてきたメンバーにも経験してもらっています。

マニュアルがあるから、任せやすくなる。

基準があるから、本人も挑戦しやすくなる。

標準化と人材育成は、別々のものではないと思っています。

資格取得にも「順番」がある

アクトでは、社員が取得する資格や教育についても整理を進めています。

入社したばかりの人。

少し現場に慣れてきた人。

一人でできることが増えてきた人。

リーダーを目指す人。

それぞれ必要な知識や能力は違います。

だから、

「資格を取りたい人は各自で取ってください」

だけにはしたくありません。

この段階では、まずこれを学ぶ。

次にこの資格を取得する。

このレベルになったら、こういう実務も経験する。

さらに成長したら、次の役割へ進む。

そうやって、少しずつ成長の道筋を見えるようにしています。

資格を取ることが目的ではありません。

資格は、その人が次の仕事へ進むための一つの武器です。

知る、分かる、行う、出来る、分かち合う

アクトのメンバークラスでは、成長を5つの段階で考えています。

知る。
分かる。
行う。
出来る。
分かち合う。

安全教育も同じです。

ルールを「知る」。

なぜ必要なのか「分かる」。

現場で実際に「行う」。

自分で確実に「出来る」。

そして、経験を積んだら次の人へ「分かち合う」。

私は、この最後の「分かち合う」までいってほしいと思っています。

一人だけ安全になればいいわけではありません。

自分が身につけた知識によって、隣の仲間も守れる。

後輩へ伝えられる。

チーム全体の安全レベルを上げられる。

そこまでいけば、一人の成長が組織の成長になります。

安全を守る人から、安全をつくる人へ

私は社員に、

ただルールを守るだけの人になってほしいわけではありません。

もちろん、最初は守るところからです。

でも経験を積んだら、

「ここは危険じゃないか」

「このやり方では分かりにくい」

「この基準を決めた方がいい」

「新人にも共有した方がいい」

と気づける人になってほしい。

そして、気づいたら発信する。

改善する。

仕組みにする。

そういう人が増えれば、会社の安全文化そのものが強くなります。

安全担当者だけが安全を考える会社より、

全員が安全を考える会社の方が強い。

私はそう思っています。

安全と品質は別々ではない

安全について考えることは、品質にもつながります。

決められた手順を確認する。

事前準備をする。

作業前に危険を想像する。

一つひとつ確認する。

分からないことを相談する。

これらは安全のために必要ですが、品質を高めるうえでも重要です。

忘れ物が減れば手戻りも減る。

確認漏れが減れば施工ミスも減る。

基準が明確になれば、人による品質差も小さくなる。

安全を本気で考える組織をつくることは、結果として仕事そのもののレベルを上げることにつながると思っています。

安全は「100%」の土台

アクトの経営理念は、

「120%の喜びを提供する」

です。

お客様が抱えている不満・不安・不足を解消し、求められていることにきちんと応える。

まず、これが100%です。

そのうえで、

こちらから提案する。

先回りして考える。

より良い方法を提示する。

お客様がまだ気づいていないところまで考える。

そこにプラス20%の価値が生まれると考えています。

しかし、その前提に安全があります。

どれだけ素晴らしい提案をしても、安全を守れない会社では意味がありません。

どれだけ施工が早くても、事故を起こしてしまえば120%どころではありません。

だから、

安全は付加価値ではなく、価値を提供するための土台です。

安全教育も、人づくり

私は、社員教育を会社のためだけにやっているわけではありません。

もちろん、人が育てば会社は強くなります。

でも、一番成長するのは本人です。

正しい知識を身につける。

技術を身につける。

資格を取得する。

自分で判断できるようになる。

任せてもらえる仕事が増える。

仲間を守れるようになる。

やがて後輩を教えられるようになる。

そうやって自分自身の価値を高めていく。

そして、

自分が身につけた価値で、誰かに貢献する。

私は、仕事を通してそれを実感できることは、働くうえで大きな喜びだと思っています。

未経験からでも、社会を支える人になれる

最初は何も知らなくていいと思っています。

私たちだって、最初から電気工事ができたわけではありません。

最初から安全ルールを全部知っていたわけでもありません。

教えてもらう。

知る。

理解する。

やってみる。

失敗したら原因を考える。

次に実行することを決める。

またやってみる。

それを積み重ねて、人は成長します。

だから会社がやるべきなのは、

「できる人を探すこと」

だけではない。

「できるようになる環境をつくること」

も重要だと思っています。

日本のインフラを支える会社だからこそ、人を育てる

アクトは、電気工事・電気通信工事を行っています。

電気も通信も、私たちの生活になくてはならないインフラです。

私は、どうせこの仕事をやるのであれば、

日本のインフラ構築に本気で貢献できる会社にしたい

と思っています。

そのためには、会社の規模だけを大きくしても意味がありません。

一人ひとりの価値を高める。

安全を理解する人を増やす。

品質を考えられる人を増やす。

自分で考え、行動できる人を増やす。

人を育てられるリーダーを増やす。

そうして組織として提供できる価値を高めていく。

その積み重ねが、社会を支える力になると思っています。

「安全第一」を、言葉だけで終わらせない

ヘルメットに安全第一と書くことはできます。

朝礼で安全第一と言うこともできます。

ルールを掲示することもできます。

でも、それだけでは文化にはなりません。

一人ひとりが、

「なぜ?」

を理解する。

理解したことを行動する。

行動を繰り返して習慣にする。

そして次の人へ伝える。

そこまで積み重なったときに、初めて安全が会社の文化になるのだと思います。

だからアクトは、これからも安全教育を続けます。

資格も取ります。

訓練もします。

マニュアルもつくります。

必要であれば、基準も変えます。

そして何より、

「なぜ、それをするのか」

を伝え続けたいと思っています。

情報とは最大の武器。

正しい知識で自分を守る。

正しい知識で仲間を守る。

そして、その知識を行動に変える。

そんな人材を一人ずつ増やしていくことが、アクトの人づくりであり、私たちが目指す安全な組織づくりです。

人が育てば、組織は変わる。
組織が変われば、お客様へ届けられる価値が変わる。
その価値が、建設業の未来を変えていく。

私たちアクトは、人づくりを通じて社会へ価値を届け続けます。

なぜ現場写真の提出業務をメンバーに任せるのか?アクト が「仕事の全体像」を経験させる理由

今回は、株式会社アクトがこれまでリーダークラスを中心に行っていた施工写真の整理・提出業務を、経験を積み始めたメンバークラスにも任せ始めた理由をお伝えします。

仕事の前後まで知ることが、現場力・品質・主体性を高める人材育成につながると考えています。

代表の佐々木です。

人を育てるとき、

「何を教えるか」

はもちろん重要です。

しかし最近、私はそれと同じくらい、

「何を経験させるか」

が大切だと感じています。

研修を受ける。

資格を取る。

先輩から仕事を教わる。

もちろん、すべて必要です。

ただ、それだけではなかなか身につかないものがあります。

それが、

「自分たちの仕事が、最終的に何につながっているのか」

という感覚です。

そこでアクトでは最近、これまで基本的にリーダークラスが行っていた施工写真の整理・提出業務の一部を、仕事に少しずつ慣れてきたメンバークラスにも経験してもらうことにしました。

今回は、この取り組みについて書いてみたいと思います。

施工写真は「撮ればいい」ものではない

電気工事や電気通信工事では、施工写真を撮影する機会が多くあります。

現場で働き始めたばかりの頃は、

「この場所を撮って」

「この工程が終わったら写真を残して」

と指示され、それに従って撮影するところから始まります。

当然、最初はそれでいいと思っています。

分からない人に、いきなりすべてを考えて行動してもらうことはできません。

まずは知る。

そして、やってみる。

少しずつ仕事を覚える。

しかし、ある程度経験を積んだ後も、

「言われたから撮る」

だけでは、次の成長にはつながりにくい。

なぜ、この写真が必要なのか。

この写真は誰が見るのか。

何を確認するための写真なのか。

どの程度のクオリティーが必要なのか。

何が写っていなければ成果物として成立しないのか。

現場で撮影した写真が、その後どう整理され、どう提出され、どのような成果物になるのか。

ここまで理解すると、同じ「写真を撮る」という仕事でも意味が変わってきます。

成果物を知ると、現場での見え方が変わる

今回、メンバークラスに写真提出業務を任せることにした一番の理由は、

成果物のリアルに触れてほしい

と思ったからです。

例えば、自分で提出資料をつくっていると、

「あれ、この写真では確認したい部分が見えないな」

「もう少し引いた写真も必要だったな」

「同じような写真ばかりで、必要な写真がない」

「撮影する位置を統一した方が分かりやすかったな」

といったことに気づきます。

これは、現場で「この写真を撮ってください」と言われているだけでは、なかなか実感できません。

ところが、自分が成果物をつくる側になると、

現場での一つの行動と、最終的な成果物がつながります。

すると次の現場では、

「後でこの写真が必要になるな」

「この角度だけでは足りないな」

「この状態も残しておこう」

と、自分で考え始める。

私は、こうした変化を成長だと考えています。

仕事の「点」を「線」にしていく

新人のうちは、一つひとつの仕事が「点」になりがちです。

写真を撮る。

工具を準備する。

材料を確認する。

施工する。

片付ける。

報告する。

最初は、それぞれを覚えるだけでも大変です。

でも、経験を重ねていくと、

点と点をつなげていかなければなりません。

なぜ準備が重要なのか。

準備不足が現場にどう影響するのか。

なぜこの施工方法なのか。

なぜ写真が必要なのか。

なぜ報告しなければならないのか。

なぜこの品質が求められるのか。

一つひとつがつながってくると、仕事の全体像が見えてきます。

私は、メンバーからリーダーへ成長していく過程では、この「全体を見る力」が非常に重要だと思っています。

任せる前に、基準をつくる

ただし、

「成長してほしいから、とりあえずやってみて」

では、私は少し違うと思っています。

任せるのであれば、会社側にも責任があります。

何をすればいいのか。

どこまでやれば完成なのか。

どの品質が求められるのか。

それをできるだけ分かる状態にする必要があります。

そのため今回、アクトでは施工写真の格納・提出についてマニュアルを作成しました。

そして、メンバーへ仕事を任せる前に、まずリーダークラスへ今回の取り組みを共有しました。

そのうえで、実際にメンバー2名へ業務を指示しています。

私が大切にしたい流れは、

教える
↓
基準を見える化する
↓
実際にやってもらう
↓
成果物を確認する
↓
フィードバックする
↓
また実行する

という流れです。

任せることと、丸投げすることは違います。

「基準がない」は、教わる側の問題ではない

アクトでは最近、業務の基準化・標準化にも力を入れています。

私自身、日々の業務を見ながら、

「ここは人によって判断が違うな」

「ここは基準が曖昧だな」

「新人には分かりにくいな」

と思ったところがあれば、できるだけそのままにしないようにしています。

必要であればマニュアルをつくります。

OK例、NG例を示した方が分かりやすければ、それも入れる。

そして、

「アクトでは、この基準でやっていこう」

と共有する。

なぜなら、会社の基準が曖昧なのに、

「ちゃんとやって」

と言っても、人によって「ちゃんと」の意味が違うからです。

ベテランにとっての当たり前は、新人にとっての当たり前ではありません。

リーダーが頭の中で分かっていることも、メンバーには見えていません。

だからこそ、

個人の経験や感覚だけに依存しているものを、組織の共通基準へ変えていく。

これも会社づくりの一つだと思っています。

マニュアルは人を縛るためのものではない

「マニュアル化」という言葉には、少し堅い印象があるかもしれません。

何でもルールにする。

書いてあることしかやらない。

そんな組織を私は目指しているわけではありません。

むしろ逆です。

基本的な基準が明確になっているからこそ、その先を自分で考えられると思っています。

何が正解か分からない状態で、

「自分で考えて」

と言われても難しい。

まず基準を知る。

なぜその基準なのかを理解する。

実際に行う。

一人でできるようになる。

そして、その先で改善や提案ができるようになる。

これはアクトが人材育成で大切にしている、

「知る→分かる→行う→出来る→分かち合う」

という成長の考え方にもつながっています。

安全教育でも「なぜ」を大切にする

この考え方は写真業務だけではありません。

例えば、新しく入社した未経験者への安全教育でも同じです。

「このルールを守ってください」

だけではなく、

なぜこのルールがあるのか。

なぜこの方法で作業するのか。

守らなかったら何が起こるのか。

誰を守るためのルールなのか。

そこまで理解してもらうことを大切にしています。

私は、

情報とは最大の武器

だと思っています。

正しい安全知識がなければ、自分自身を守ることができません。

そして、自分を守るための正しい知識を持っていなければ、仲間を守ることも難しい。

だから、ただ覚えるだけではなく、

意味まで理解する。

これが重要だと思っています。

資格も「取って終わり」ではない

最近は、社員が取得している資格や教育についても、会社として整理を進めています。

どの段階で何を学ぶのか。

何が必須なのか。

何を取得すると、次の仕事を任せられるのか。

こうした成長の道筋も少しずつ見えるようにしています。

資格を取ること自体がゴールではありません。

資格取得によって正しい知識を得る。

現場で使う。

できる仕事が増える。

責任を持てる範囲が広がる。

さらに後輩へ教えられるようになる。

そこまでつながって初めて、その人の価値が高まっていくのだと思います。

「できるようになってから任せる」では遅いこともある

育成を考えていると、

「まだ早いんじゃないか」

と思うことがあります。

当然、安全や資格に関係する仕事で、できない人に無理をさせることはありません。

しかし、何でも、

「完全にできるようになってから任せよう」

としてしまうと、成長する機会そのものがなくなります。

経験しなければ分からないことがあるからです。

今回の写真提出業務もそうです。

リーダーがやった方が早い。

慣れている人がやった方が正確。

短期的に見れば、その通りかもしれません。

でも、それをずっと続けていたら、次にできる人が育ちません。

だから、

少し背伸びすればできる仕事を、適切なタイミングで任せる。

そして、必要な基準とサポートを会社側が用意する。

これが大切だと思っています。

失敗させないことより、失敗から学べる仕組みをつくる

もちろん、新しい仕事を任せれば、最初から完璧にはできません。

私は、それでいいと思っています。

重要なのは、

「なんでできないんだ」

で終わらせないことです。

何が分からなかったのか。

基準が曖昧ではなかったか。

説明が不足していなかったか。

本人はどこで判断を間違えたのか。

次は何を変えればできるのか。

そこまで一緒に考える。

そして、

次に実行できることを決める。

私は人の成長を見るとき、ここを大切にしています。

「次から気をつけます」

だけでは、具体的な行動は変わらないかもしれません。

では、次回は何をするのか。

確認表を見る。

提出前にセルフチェックする。

撮影時点で必要写真を確認する。

分からなければこのタイミングで相談する。

実行できるところまで具体化する。

そして実際にやってみる。

人は、その繰り返しで成長していくと思っています。

リーダーの仕事を減らすことだけが目的ではない

今回の取り組みを続ければ、結果としてリーダーの業務負担が減る可能性もあります。

それ自体は良いことです。

しかし、それを第一の目的にはしていません。

目的は、

メンバーが仕事の全体像を理解し、次のレベルへ成長すること。

そしてもう一つあります。

メンバーが今までリーダーしかやっていなかった仕事をできるようになれば、リーダーはさらに次の仕事へ進めます。

メンバーが成長する。

リーダーが次へ進む。

リーダーが成長すれば、マネージャーもさらに上の役割へ集中できる。

こうして組織全体が少しずつ成長していく。

私は、これが理想だと思っています。

仕事を抱える人が評価される組織にはしたくない

仕事ができる人ほど、

「自分でやった方が早い」

となりがちです。

私自身も経営をしていて、その感覚はよく分かります。

でも、組織として考えれば、それだけではいけません。

一人の優秀な人しかできない仕事が増えれば、その人がいなければ止まる組織になります。

一方で、

自分ができるようになる。

基準をつくる。

人へ教える。

任せる。

その人もできるようになる。

さらに次の人へ伝える。

ここまでできれば、個人の能力が組織の力になります。

だからアクトの人材育成では、最終的に、

「分かち合う」

ところまで進んでほしいと思っています。

成長とは、任せられることが増えること

私は、社員の成長を資格の数だけでは見ていません。

昨日より技術が上がった。

自分で判断できるようになった。

後輩へ説明できるようになった。

必要な報告ができるようになった。

問題が起きたときに、原因と解決策まで考えられるようになった。

そして、

会社やお客様から任せてもらえることが増えた。

これも大きな成長だと思います。

任せられる仕事が増えるということは、それだけその人が提供できる価値が増えたということです。

100%を理解して、初めて20%を考えられる

アクトの経営理念は、

「120%の喜びを提供する」

です。

私は、お客様が求めていることにきちんと応えることを、まず100%だと考えています。

安全に施工する。

品質を守る。

期日を守る。

必要な成果物を提出する。

約束を守る。

これはプロとして当然の部分です。

そして、その100%を理解したうえで、

「さらに何ができるだろう」

と考える。

こちらから提案する。

先回りする。

相手の不安や不足に気づく。

より良い方法を考える。

その部分が、アクトとして提供したいプラス20%です。

だからこそ、若いメンバーにも「自分の作業」だけではなく、仕事の全体を少しずつ見てほしいと思っています。

全体を知らなければ、相手が何を求めているかも分かりません。

相手が求めている100%が分からなければ、その先の20%を考えることもできません。

人が育つ会社にしたい

会社が成長するために、人を育てる。

もちろん、それもあります。

でも、それだけではありません。

私は、社員自身にも仕事を通して成長してほしいと思っています。

できることが増える。

知識が増える。

資格を取る。

人から頼られる。

後輩を育てる。

お客様に喜んでもらう。

そして、

「自分の力が誰かの役に立った」

と感じる。

自分自身の価値を磨き、その価値で人に貢献できる。

仕事を通じて、そんな自己実現ができたら素晴らしいと思います。

だから私は、社員がチャレンジできる環境をつくることも、会社の役割だと思っています。

日本のインフラを支えられる人を育てる

アクトは、電気工事・電気通信工事を行う会社です。

私たちが携わっている通信や電気は、社会になくてはならないインフラです。

だから私は、

単に工事ができる人を増やしたいわけではありません。

安全を理解している。

品質を考えられる。

相手の立場を考えられる。

自分で判断できる。

約束を守れる。

問題があれば改善できる。

そして、次の人を育てられる。

そんな人材を増やしていきたい。

一人の成長は小さな変化かもしれません。

でも、その一人が次の人を育てるようになれば、組織は変わります。

組織が変われば、お客様へ提供できる価値が変わります。

そして、価値ある人と組織が増えれば、日本の通信・電気・インフラを支える力も強くなる。

私はそう考えています。

今回始めた写真提出業務へのチャレンジも、その中の本当に小さな一歩です。

でも、人の成長とは、こういう小さな一歩の積み重ねではないでしょうか。

教えるだけではなく、経験させる。
任せるだけではなく、基準を示す。
失敗を責めるだけではなく、次の行動を考える。
できるようになったら、さらに次を任せる。

そんな環境をつくりながら、一人ひとりが自分の価値を高められる会社にしていきたいと思っています。

人が育てば、組織は変わる。
組織が変われば、お客様へ届けられる価値が変わる。
その価値が、建設業の未来を変えていく。

私たちアクトは、人づくりを通じて社会へ価値を届け続けます。

建設業の「良い人間関係」とは?仲が良いだけでは強い組 織にならない

建設業で働くうえで、人間関係は会社選びや定着にも関わる重要な要素です。しかし、良い人間関係とは単に仲が良いことなのでしょうか。

今回は、電気工事・電気通信工事を行う株式会社アクトが大切にしている「良好な人間関係と高業績の両立」、そして社員の成長を支える組織づくりについてお伝えします。

代表の佐々木です。

最近、採用活動の中で嬉しい出来事がありました。

弊社の採用ページを見て、

「この会社で働きたい」

と思ってくれた方が、実際に面接まで来てくれました。

採用ページをつくったから応募が来た。

それだけなら、採用活動としては一つの成果なのかもしれません。

でも、私が嬉しかったのはそこではありません。

私たちがどんな会社をつくろうとしているのか。

どんな考えで人を育てているのか。

どんな環境で働いてほしいと思っているのか。

それを発信したことで、一人の人がアクトに興味を持ってくれた。

そのことが、とても嬉しかったです。

なぜなら、

「建設業の働く環境を変えたい」

という思いは、私が会社を始めた理由の一つだからです。

建設業の人間関係を変えたい

私自身、昔から建設業の中で仕事をしてきました。

今と昔では建設業もかなり変わってきています。

それでも、私自身が若い頃に経験した中には、

「これはおかしいだろう」

と思うことがありました。

立場が上だから何を言ってもいい。

仕事ができないから強く当たっていい。

怒鳴って覚えさせる。

厳しくすれば人は育つ。

そんな考え方です。

私は、そこにずっと違和感がありました。

だから、自分が会社をつくるのであれば、

同じことはしたくない。

そして掲げたビジョンが、

「建設業のカラーを変える」

です。

ただし、ここで誤解してほしくないことがあります。

私がつくりたいのは、

「誰にも何も言われない会社」

ではありません。

良い人間関係=仲良しグループではない

アクトでは、

「良好な人間関係と高業績の両立」

を大切にしています。

良好な人間関係というと、

みんな仲良くする。

怒らない。

厳しいことを言わない。

相手に合わせる。

そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。

でも、私が考えているものとは少し違います。

会社は仲良しグループではありません。

お客様から仕事をいただき、価値を提供するプロの組織です。

だから、

ダメなものはダメ。

守るべきルールは守る。

約束した期日は守る。

安全ルールは守る。

求められている品質を満たす。

必要なことは、きちんと伝える。

ここには一定の厳しさが必要です。

むしろ、何も言わないことが本当に相手のためなのか。

私はそう考えることがあります。

「嫌われたくない」から言わないのは優しさなのか

リーダーになると、メンバーへ伝えにくいことも出てきます。

間違っている。

このままでは危ない。

仕事の進め方を改善してほしい。

もう一段成長してほしい。

そんなとき、

「言ったら嫌われるかもしれない。」

と思うこともあるでしょう。

人間なので当然です。

しかし、リーダーが何も言わなければ、その人は自分の課題に気づけないかもしれません。

安全に関することであれば、事故につながる可能性さえあります。

だから私は、

フィードバックの目的が何なのか

が重要だと思っています。

自分のイライラをぶつけるためなのか。

相手を言うことを聞かせるためなのか。

それとも、

その人の成長を支援するためなのか。

同じ「指摘」でも、目的によって全く違うものになります。

厳しさと理不尽さは違う

建設業から厳しさを全部なくせばいい。

私はそうは思っていません。

私たちの仕事は電気・通信・インフラに関わる仕事です。

一つの判断が安全に影響することがあります。

一つの確認不足が品質に影響することもあります。

だから、必要な厳しさはあります。

しかし、

厳しさと理不尽さは違います。

安全ルールを守っていないから指摘する。

これは必要です。

でも、人格を否定する必要はありません。

施工に問題があるから改善を求める。

これも必要です。

でも、感情をぶつける必要はありません。

期日を守れていないから理由を確認し、改善を求める。

必要なことです。

でも、人そのものを否定する必要はありません。

私は、

「何を言うか」と同じくらい「何のために言うか」

を大切にしたいと思っています。

小さなことを積み重ねる

私は社員に、日頃から小さなことを大切にしてほしいと伝えています。

期日を守る。

ルールを守る。

確認する。

報告する。

約束したことを実行する。

資格を取る。

技術を磨く。

一つひとつを見ると、大きなことではありません。

でも、こうした小さな行動を積み重ねることで、その人自身の価値は少しずつ高まっていきます。

そして、一人ひとりの価値が高まれば、組織として提供できる価値も高くなります。

私は社員を言葉だけでは評価しません。

「やります」

「頑張ります」

と言うことも大切ですが、最後は行動です。

小さくてもいいから実行する。

続ける。

改善する。

私はその積み重ねを評価したいと思っています。

問題が起きたら「人」だけではなく「仕組み」を見る

最近、アクトでは業務の標準化にもかなり力を入れています。

例えば、忘れ物による手戻りが増えれば、

「忘れないように気をつけよう」

だけでは終わらせません。

なぜ忘れたのか。

どうすれば物理的に防げるのか。

毎日の業務の中へ確認を組み込めないか。

みんなで考えて、必要であればルーティンそのものを変えます。

実際に業務が一つ増えることもあります。

でも、それによって忘れ物が減り、お客様へ迷惑をかける可能性が下がり、手戻りも減るのであれば意味があります。

そして運用してみて、

「ここはやりにくい。」

「もっとこうした方がいい。」

ということが出てきたら、また改善する。

私はこれを大切にしています。

曖昧なものを、曖昧なままにしない

現場には、意外と「なんとなく」があります。

人によってやり方が違う。

先輩によって教え方が違う。

何となく昔からこうしている。

でも、なぜそうするのか分からない。

こうした曖昧さは、意識して見なければなかなか見つかりません。

だから私は、

「ここ、基準が曖昧だな」

と気づいたら、できるだけ早く基準をつくるようにしています。

必要ならマニュアルをつくる。

写真を使う。

OK例とNG例を示す。

そして、

「アクトでは、これを基準にしよう」

と共有する。

これは社員を縛るためではありません。

判断に迷わないためです。

そして、誰がやっても一定以上の安全と品質をつくれる組織にするためです。

安全も「なぜ」まで教える

新入社員教育でも同じです。

最近、アクトでは未経験者の採用が続いています。

未経験で初めて社会人になる社員も入社しました。

だからこそ、入社直後の教育をかなり大切にしています。

人事からは、社会人としてのルールや仕組み、ビジネスマナー、会社の理念・ビジョン、評価制度などを伝えます。

その後、安全についても時間をかけて教育します。

安全ルールを覚えてください。

それだけではありません。

なぜ、この安全ルールがあるのか。

なぜ守らなければならないのか。

なぜ、このやり方になっているのか。

守らなかった場合、何が起こり得るのか。

そこまで考えてもらいます。

訓練用の柱を使って実際に昇降する訓練も行います。

特別教育を受ける。

理解度を確認する。

実際に身体を動かす。

知識と経験をつなげていきます。

私が安全教育で大切にしている考えがあります。

正しい知識がなければ、自分を守ることはできない。

そして、

自分を守る知識がなければ、人を守ることもできない。

だから私は、

情報とは最大の武器

だと思っています。

ルールの意味を理解すれば、行動が変わる

これは安全だけの話ではありません。

「ルールだからやれ」

だけでは、人は本当の意味では成長しないと思っています。

なぜ必要なのか。

誰のためなのか。

何を防いでいるのか。

それを理解すれば、行動の意味が変わります。

安全確認も、

「会社に言われたからやる」

から、

「自分と仲間を守るためにやる」

へ変わる。

写真撮影も、

「撮れと言われたから撮る」

から、

「成果物としてこの品質が必要だから撮る」

へ変わる。

報告も、

「上司に言われたからする」

から、

「チームが正しい判断をするために必要だからする」

へ変わる。

私は、この変化こそ教育だと思っています。

仕事を任せることも教育になる

最近は、これまで主にリーダークラスが行っていた写真提出業務の一部を、仕事に慣れてきたメンバークラスにも経験してもらっています。

これも単なる業務分担ではありません。

成果物を実際につくってみなければ分からないことがあります。

どんな写真が必要なのか。

何が不足しているのか。

どの程度の品質が求められるのか。

なぜ現場でこの写真を撮らなければならないのか。

提出する側を経験することで、現場で写真を撮るときの見方も変わります。

そのためにマニュアルもつくりました。

いきなり、

「今日からよろしく」

と丸投げするわけではありません。

基準を示す。

やってみてもらう。

確認する。

フィードバックする。

またやってみる。

少しずつ任せる領域を増やしていく。

こういう実務そのものも、人を育てる機会にしたいと思っています。

100%の仕事に、あと20%何を足せるか

アクトの経営理念は、

「120%の喜びを提供する」

です。

私は最近、この120%について社員にもよく考えてもらいたいと思っています。

お客様にはニーズがあります。

不満。

不安。

不足。

困っていることがあるから、私たちへ相談してくれます。

そのニーズにきちんと応える。

これは100%です。

プロとして、まずここをやり切る。

期日を守る。

安全に施工する。

求められた品質で完成させる。

約束したことを実行する。

これは大前提です。

では、その先の20%は何なのか。

私は、

こちらから提供する提案や付加価値

だと考えています。

言われたことだけをやるのではなく、

「ここまでやっておいた方が安心ですよ。」

「こうすればもっと良くなります。」

「将来を考えると、この方法もあります。」

と、一歩先を考える。

その20%に、会社としての価値が表れると思っています。

社員一人ひとりが、自分の価値を磨いてほしい

だから、人材育成に力を入れています。

会社のためだけではありません。

私は、社員自身のためでもあると思っています。

技術を身につける。

資格を取る。

人との関わり方を学ぶ。

失敗から学ぶ。

リーダーシップを身につける。

誰かを育てられるようになる。

昨日できなかったことが、今日できるようになる。

そうやって自分自身の価値を磨いていく。

そして、

自分が身につけた価値で誰かに貢献できた。

これは、仕事をするうえで大きな喜びだと思います。

仕事を通じて自己実現できる。

私は、それは素晴らしいことだと思っています。

チャレンジできる環境をつくるのは会社の仕事

人は、最初から何でもできるわけではありません。

だから挑戦する。

失敗することもある。

フィードバックを受ける。

考える。

改善する。

また挑戦する。

その繰り返しによって、人は成長していきます。

だから会社側には、

チャレンジできる環境をつくる責任がある

と思っています。

私は、それを経営者としての自分の使命の一つだと考えています。

社員が成長する。

自分の価値を高める。

その力で誰かに貢献する。

さらに、人を育てられる人になる。

そんな人が増えれば、組織の価値も高まります。

良好な人間関係と高業績。その両方を諦めない

優しいだけの会社にはしたくありません。

数字だけを追う会社にもしたくありません。

良好な人間関係がある。

でも、必要なことはきちんと言う。

ルールを守る。

安全を守る。

品質を追求する。

期日を守る。

一人ひとりが自分の能力を高める。

困っている仲間がいれば助ける。

そして、お客様が求めている100%に、私たちなりの20%の価値を加えていく。

私は、

良好な人間関係と高業績は両立できる

と思っています。

むしろ、本当に強い組織をつくるためには、両方が必要です。

建設業のカラーを変える

私たちは電気工事・電気通信工事を行う会社です。

どうせこの仕事をやるのであれば、社会から本当に必要とされる会社になりたい。

人を育てる。

安全を高める。

品質を高める。

技術を磨く。

仕組みを改善する。

お客様へ価値を届ける。

その一つひとつを積み重ね、会社としての価値を高めていく。

そして最終的には、

日本の通信・電気・インフラ構築に、本気で貢献できる会社になる。

そこを目指しています。

大きなことを言っているように聞こえるかもしれません。

でも、大きな目標も、始まりは小さな行動です。

今日、期日を守る。

今日、安全ルールを守る。

今日、昨日より一つ成長する。

今日、仲間へ必要なフィードバックをする。

今日、お客様へあと一つ何かできないか考える。

その積み重ねが人をつくり、組織をつくり、やがて社会へ届けられる価値を大きくしていく。

個人のため。

組織のため。

社会のため。

アクトは、人が成長し、挑戦し、自分の価値を社会へ還元できる会社をつくりながら、「建設業のカラーを変える」というビジョンを一歩ずつ形にしていきます。